お勤め人時代はバーベキューのお供として、店では「ピリピリ焼」や「豚キムチ」、「ねばりがち」に使い、時間が経って酸っぱくなったらオヤジのおつまみにと、つねに欠かさなかった。
最初にその店に買いに行った時は、歳の頃は40代の終わりか、50代の半ばぐらいのオモニが、キビキビとたくさんの従業員(韓国のおばちゃんたち)に指図して活気に溢れていた。
色白で上品な感じのオモニは、若い頃はさぞやもてたろう。
やがて顔を覚えてくれて、いろいろオマケしてもらったり、ペットボトルに移した自家製のマッコリをわけてもらったりもした。
数年前にオモニの姿を見た時には、すっかり元気がなく、杖をついて辛そうだった。
以前はバイクで仕入れに行っていたが、最近は小僧の役目になり、ヤツも顔を売り、ゴマなどをサービスしてもらったりしていた。
しかし韓国ブームの昨今、新大久保は賑やかなのに、御徒町のほうはイマイチだ。
なにがどうしてなのかはわからないが、ヨン様旋風が去った後は、むしろ以前よりひっそりしているように見える。
数日前に小僧が仕入れから帰って来て、思いもかけないことを言った。
「キムチはもう終了で~す」
??? 売り切れってことかと思ったら、なんと店を閉めるってことらしい‼
それは一大事 長年親しんできたキムチが手に入らなくなったら、メニューに合うものを一から探さないといかんじゃないか。
かつて韓国の人がモグランポに食べに来てくれて、キムチを食べてこう言ったものだ。
「コレ、ニホンノキムチチガウネ。カンコクノハクサイダヨ」
ニッコリして褒めてくれた。
わかる人にはわかるのだ。
ヘンに日本人向けに味付けされたキムチは飽きるが、オモニのキムチは時間と共に美味しさが変化して楽しい。
それがもう味わえなくなるのか・・・・・・。
小僧の話しだけじゃ詳細がわからないので、御徒町に出かけてみた。
が、すでに店にはシャッターが降りていて、閉店の張り紙があるばかりだった。
仕方がないので、以前何度か買ったことがある店を2軒回りキムチを仕入れた。
食べ比べてみて、どちらかいい方を使おう。
それにしても、切ないことだ さよならキムチ。
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