お好み夜話-Ver2

壁に耳あり

市場へ仕入れに行くのに、バイクを出した。

昨年のクリスマスイブの日に、エンジンがかからなくて往生したというのに、それ以来乗っていないからまたまたエンジンがかかりにくく、キーを回してしばらくキックを続けてようやく息を吹替えした。

走り出していくらも行かないうちに、お巡りさんに呼び止められた。

何にも悪いことはしていないのに、なんで


「お仕事ですか?」

そうだよ、急ぐんだよ。

「免許証を拝見できますか ?」

嫌だと言ったってダメなのはわかっているし、何にもやましいことはないから出したら、それを持って交番の中へ行っちゃった。

バイクのエンジンを切らずに待っていると戻って来て、ナンバープレートを記録された。

いったいどういうことだと聞くと、

「無免許で暴走している者がおりまして・・・・・云々」

さらに突っ込んで聞くと、

「管内の交通事故が200件を越えてしまいまして・・・・云々」

若い箱番勤務のお巡りさんの言うことにゃ、事故が200件を越えたことで、署長が本庁へ呼び出されお叱りをうけ、その煽りで取締りを強化しているんだと。

取締りを強化して事故が未然に防げるんなら結構なことだが、その実は一握りのキャリア警官の出世のための点数稼ぎに奔走しているにすぎないのは、「新宿鮫」の愛読者でなくたって最近では周知のことだ。

「そりゃ、女房に頭が上がらない男前の署長にゃ大変だよね」

と言ってやると、

「なんで、ご存知なんですか・・・」

若いお巡りさん、目をパチクリ

フン、壁に耳ありサ。

クソオヤジの情報網を侮んなよ。

世間じゃ犯罪が多発している地域なんて言っているが、某警察署は無事にキャリアアップできるお手頃なコースらしいじゃないの。

だから何事もなく務めて、さっさと出て行きたい御仁には点数が気になるだよね。

まあどんな仕事でも、残念な上司で苦労するのは現場の人間だもんね。

「お巡りさんも気をつけた方がいいよ。どこで誰が聴いてるか、見てるかわかんないからサ」

そう言い残して、お巡りさんの敬礼を受け走り去ったのである。


以上のことを、信じる信じないは貴方しだいであります。

しかしある日、このクソオヤジが官憲に拘束、あるいは消息不明になった時は、この駄文を読み返して頂ければ幸いであります。

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