お好み夜話-Ver2

古酒と調子コキ


先日、仙台の「バーバーくん」を訪ねた目的のひとつに、泡盛の古酒を仕込むということがあって、事前に3升甕と古酒作りに選んだ泡盛を彼の実家に送っておいた。

なぜ「バーバーくん」の実家で古酒を育てるのかというと、来年ロンドンへ修行に行き、
「パツキンのネエちゃんをやっつけ」・・・・・、
えー、訂正。
「本場のカットを身につけ、一流の悪魔の理髪師になって一旗揚げて凱旋帰国する」という彼の言葉を信じ、それではその時に晴れて飲める祝いの酒を育てようじゃないかと、前々から計画していたのだった。

古酒(クース)というのは、3年以上甕などで寝かせて熟成させた酒のことをいい、泡盛は何十年も熟成し続け、まろやかで芳醇な酒に変化する。
戦前には100年を超える古酒があったといわれており、子や孫の代まで残せる家宝であったという。

泡盛は瓶のままでも熟成し古酒(クース)になる希有な酒で、甕の置き場がない我が家でも、小僧が20歳になったときの記念に8年古酒を買い、棚の奥で寝かせてもう5年経った。
つまり我が家の泡盛は、13年ものというということで、あと7年経って20年ものになったら封を開けて飲もうと思っている。
酒を飲まない小僧にかこつけて、オヤジが楽しむという趣向である。(イッ、ヒッ、ヒ)

さて、「バーバーくん」の実家には、小さい頃悪さをしてよくそこへ閉じ込められたという地下の貯蔵庫があり、古酒(クース)を甕で育てるのには最適な環境があった。
そこならしっかり動かないようにしておけば、少々の地震でも大丈夫だろうと思う。

甕で古酒を仕込むのははじめてだったので、とりあえずはリーズナブルな素焼きの甕にした。


甕の中をきれいにして、すすぎ用の泡盛を入れてジャブジャブとしたところ、なんと、甕の側面にヒビがあり、ポタポタと泡盛が漏れているではないか !
なんて幸先の悪い。
日頃の行いの悪さが滲み出たのか「バーバーくん」よっ !!

このひび割れは輸送の途中でできたものではないようで、明らかに送り先のミスのようだった。
滴る泡盛を、もったいないからチューチュー吸いたい気持ちを我慢して、残念ながら今回の旅で古酒作りの儀式を行うのを断念した。

自宅に戻り、さっそく送付先にガンガン文句をいい、すぐ新しいものと交換するよう要請した。
そして数日後、最初に買ったものよりワンランク上の甕(沖縄の南部に位置する糸満市(いとまん市)にある窯元で造られた「いちまん焼」)が送られてきたと、「バーバーくん」から連絡が来た。
容量も4升以上入りそうだということで、それならそれでオッケーだ。

改めて
甕に
「南光」の粗濾過44度を入れる。

この「南光」は泡盛の熟成に必要な旨味成分をできるだけ残すよう、濾過を極力控えて造られ、新酒ながら甕で半年以上寝かせてある。
このまま飲んでももちろん旨い。
飲み過ぎちゃうくらい旨い。

で、コイツはまたしても調子こいて、こんな写真を送ってきた !
きさっまぁ~、神聖なる泡盛ちゃんを、なんて注ぎ方しやがる !  

キミのはそんなにリッパじゃないだろう。


その“モノ”
ちょん切って漬込むぞい !!


まあいいわい、そのうち
出世払い
ご両親共々、たっぷり恩返しをしてもらおうじゃないかい。
果たせなければ、ほんとに
ちょん切って
漬込む !!!

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「mog夜話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事