お好み夜話-Ver2

かあちゃんを泣かせたのは誰だ(第33夜 2005-12-11 14:52)


厨房で、かあちゃんが泣いている。

鼻をすすりながら、泣いている。

午前中から、泣いている。

泣いている手には、包丁が握られている。

ザクリ、ザクリと、切りながら泣いている。

ほぼ毎日のように、泣いている。

悲しいことがあったわけではない。

オヤジに虐められたわけではない。

世を儚んで泣いているのではない。

かあちゃんを泣かせたヤツは、
お客様には人気だ。
やってみるまで、そんなに好きな人がいるとは
思わなかった。
夏より冬の方がたくさん出る。
前日に忙しいと大量に必要になる。

だからかあちゃんは、
泣きながら刻んでいるのだ。
本当はうれし泣きなのだ。
鼻水は自然に垂れる、
万有引力の賜物なのだ。
ちん、と鼻をかんだら、
ついでに涙も拭くがよい。
厨房内ではつねに清潔に。
おばさんの涙と鼻水は絵的に美しくない。
だが、刻まれているヤツの緑は鮮やかだ。
食欲をそそられるのも無理はない。


かあちゃんを泣かせる、
まな板の上の分葱

「大阪ネギ焼」「スジコンネギ焼」
「広島焼ネギ入りミックス」などに
無くてはならないものです。
当店ではそれ以外にも「万能ネギ」と
普通の「白ネギ」を使用しています。

かあちゃんが泣く日は、
前日忙しかったという証拠。
だからうれし泣きでなのです。
でもこの分葱ちゃん、
なぜかオヤジを泣かせることは
出来ないのです。
ネギごときで
男が「泣いてたまるか」よ。
(by渥美清)



えー、訂正いたします。
現在のモグランポでは、分葱は使用しておりません。
べつになにか不具合があったわけでも、かあちゃんが泣きつくしたせいでもありません。
もともとお好み焼に使いたかったのは「九条ねぎ」だったのですが、3年前のこの時点ではまだ手に入りにくく、価格も高かったわけで、分葱ちゃんには気の毒ですが、「九条ねぎ」がコンスタンスに入手できるようになるまでのつなぎだったのです。

分葱ちゃんにもいいところはいっぱいあるのですが、当店のメニューには「九条ねぎ」の方が向いているということなのです。
特に生で食べるには、分葱ちゃんは少々辛かったり苦味があったりで、その点では「九条ねぎ」に一歩ゆずります。


ねぎ玉焼

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「mog夜話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事