お好み夜話-Ver2

タンポポのとばっちり(第35夜 2006-10-11 12:07「酔投」敗れる ! ヨウコリンに神が降りた夜)

第32夜「タンポポ論争勃発!!」の完結編です。

ついにこの日がきた。
クリスマ・・・、んなこたぁどうでもいい。
「タンポポ」の日だ。
「タンポポ」論争に決着をつける日なのだ。
いきさつをご存じない方のために、ちょっと解説を。

浅草の床屋さんで働く「バーバー」くんが、ある晩「ヒトリモン」とオヤジの前でこう言った。

「刺身の上にのっている黄色い花はタンポポです」

おいおいおい、というわけで、そいつが「タンポポ」でなく「菊」だと主張するオヤジ連合を敵に回し、頑として説を曲げない彼と賭けをすることにしたのだ。
はたして、刺身の上の花は「タンポポ」か「菊」か、もし「バーバー」くんの説が正しければ、何でも好きな酒を好きなだけ奢る。
しかしオヤジ連合の主張が正しかった時には、可愛い彼の彼女に、ばっちりスリットの入ったチャイナドレスを着せて、オヤジ2人にお酌をさせるという、半ば勝負は見えているような賭けだ。
だが、ちょいと和食の料理人に聞いて“はいそうです”で終わらせないところがオヤジのオヤジたる所以。
夜も眠らず昼寝して、調べに調べた。
おかげで「タンポポ」にも「菊」にも「刺身」にも造詣が深くなった。

手っ取り早く結論から言えば、刺身の「つま」に「タンポポ」は有り得ないということだ。
それは理屈ではなく、“ないものはない”という感じなのだ。
「つまもの」という100種類ほどもある「刺身」の飾りの中にも「タンポポ」は見当たらないし、流通もしていない。
一見よく似た、同じ菊科の植物で、薬草だったり食用だったりするのに、なぜか?・・・・・・・・・・


興味のある方は
前ブログ ↓クリック
(2005-12-27 15:20)
「聖夜の蟒蛇審査
『タンポポ』論争終結す」
をぜひご覧ください。



とまあ、その時はそれですんだのであるが、どうにもすっきりしないのが「チャイナドレス」の一件なのだ。
「バーバーくん」には「バーバーくん」なりの事情があって、涙をのんで ? 彼女と“さよなら”したのだろうが、酔っぱらいのオヤジどもには、苦い青春の1ページなんてものより、「チャイナドレスでお酌」の約束が反故されたことが気に入らない。

で、その件はオヤジたちの心に燻ったまま残り、約1年後に現実のものとなったのである。

「酔投」敗れる !
ヨウコリンに神が降りた夜
(2006-10-11)
  
「チーム太刀魚」(こんなチームがあったのですね)の今夜のミッションは、タマをころがして立っているモノを倒すことだ。

この計画はしばらく前からのもので、べつに体育の日に引っかけたわけじゃない。

得てしてタマころがしは女性のほうが得意だと思われるが、深い意味はない。

このゲームを米国では昔からボーリングと呼んでいるらしい。
だが我々には、タマっころがしの方が似合っている気がする。

バイクや若いネーちゃんをころがすことにはたけている昭和の酔っぱらい「刈り魔王」(「バーバーくん」の変名)は、この単純なゲームがヘタクソらしい。
彼はタマっころがしから遠ざかっていた世代で、それは超天然「ヨウコリン」も同じで、彼女のすばらしい最低スコアは7点だという。

そんな彼らがタマっころがしゴールデンエイジの「ヒトリモン」先生とオヤジに対して、何かハンデをというので、ビールと泡盛をたっぷり飲んで酔っぱらってからやることでどうだ、と言ってやった。

ともかく深夜0時近く、すっかりテンションとメートルを上げた我々は、近所のタマっころがし道場の門をくぐったのだ。

連休だというのに道場は空き空きで、いかにも素人さんという投げっぷりの若者グループが1組、寂し気な音を響かせているだけだった。

しかし、いかにもやかましそうな我々を見たタマっころがし道場の受付のお兄さんは、一番隅の他に迷惑がかからない場所を指定した。

クツとタマを選んで、第1投はかあちゃんがヘロヘロッところがしたが、いきなり溝落ち。
フフン、いい出足だ。
続くオヤジは3、4年ほどタマにさわっておらず、これまた2回目の引っくり返しが取れない。
「ヒトリモン」先生は20年はタマ遊びをしていないということだが、いきなり秘技「酔投」を披露。

床に倒れる勢いを利用してタマを投げ、モノを倒し床を拭き掃除するという超難度の技「酔投」は、泡盛43度を飲んだ「ヒトリモン」ならでは。                                         だが残念ながらまだパワー全開ではない。


お次は2桁の男「刈り魔王」。
てんでお話しにならない調子コキ投法で「酔投」を真似るが、案の定溝落ちである。

さあお待ちかね、1桁の女「ヨウコリン」登場。
どこへ飛ばされるかわからないタマを警戒して、一同身構える。
だが我々の予想を裏切る軌道でタマはころがり、なんと全部ぶっ倒した。
この第1投で「ヨウコリン」に神が降りていることに気づけば、このあともう1試合せずにすんだのだが・・・。

夜は更けるが、タマころがしのテンションは衰えない。
かあちゃんと「刈り魔王」は順調に溝落ちを繰り返し、「ヒトリモン」はますます磨きのかかる「酔投」で点数を少しだけ上げ、オヤジの必殺技「トルーネード・クラッシュ」は決まらず、「ヨウコリン」だけが肩上げ投法で奇跡の高得点を上げ続けた。

そしてなんと彼女の生涯初の3桁、150点を叩きだし優勝を決めた。
次点はなんとか3桁をキープしたオヤジと、後半勢いに乗った「ヒトリモン」。
ケツ争いは50点を境にうろついたかあちゃんと「刈り魔王」だった。

この低レベルの腑甲斐無い成績にますますヒートアップした我々は、文句なく第2試合に突入したのである。
だが、奇跡の1桁女「ヨウコリン」の快進撃は止らず、なんと最終回でもど真ん中全部ぶっ倒しをやってのけ優勝をものにした。
かあちゃんは溝落ち女王に輝き、男共は「酔投」の連続で床掃除に精出しただけであった。

戦いすんで気がつけば、咽はカラカラ、声はガラガラ。
秘技「酔投」には飲みが足りなかったと反省。
自分でも信じられない好成績に気をよくした「ヨウコリン」には、近いうちにこの屈辱はきっと晴らしてやると宣言し、我々は解散した。


この「ヨウコリンの絶好調にはワケがある。
タマっころがしに行く前に、調子コキしたからだ。
「タンポポ」の一件を知らない彼女に、うまいこと言ってのせて、まるめこんで、密かに用意してあった件の「チャイナドレス」を着せてしまったからである。

はじめは顔を真っ赤にして、肩を上げまくって恥じらっていたが、やがてまんざらでもなくなり、男どもにお酌してくれるのだった。
わーい、バンザーイ。
オヤジどものたくらみ、見事成就。
ありがとう「ヨウコリン」♡♡♡




そしてこの時の「ヨウコリン」の名言。

「なにいってるんですか。フトモモは、太いからフトモモっていうんですよ ! peace hi


彼女は「日本天然党」の総裁なのである。





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