お好み夜話-Ver2

昼吞みの風景

佐倉市民のお爺さんたちが熱く都知事選を語っていた市民風呂を出て、駅の反対側をぐるっと回ってみたが、雨は強くなるし飲食店は少ない。

テイクアウトの弁当屋とパン屋、コンビニとコーヒー屋さんが一軒の他は美容室が2、3軒。

あとは蕎麦屋と「庄屋」しか選択肢がない。

雨さえ強くなきゃ歩いて「国立歴史民俗博物館」まで行ってレストランに入ればいいのだが、傘はないから15分も歩いたらせっかくの風呂上がりが台無しになってしまう。

悩んだ結果「庄屋」に入った。

お昼の定食メニューもあるが、すぐ目に付いたのは「生ビール中ジョッキ+グラス生+刺身の小鉢+焼き枝豆+フライドポテト」のセットメニュー880円也。

とりあえずそれにして、iPadを出してこの日の走りを振り返っていると、カウンターにお爺さんが二組、女定員の介護を受けるようにお座りになり、「いつもの」焼酎セットと大ジョッキになみなみと注がれた赤梅ハイを注文された。

あふたりは「庄屋」の常連らしく、カウンターも定位置であるらしい。

聞くともなしに話を聞いていると、パチンコの帰りで遅い昼飯&昼吞みが定番のようだ。

するとカウンターの中央に座ったオヤジの頭越しに、反対側に座るおじさんと会話し出した。

競馬の話し、5万つぎ込んで3万5千勝って1万5千負けて、パチンコで1万取り戻したとか云々・・・。

その次は体の話し、尿酸値が高く痛風で痛くてしょうがないから酒でも飲まないとやってられないとか云々・・・。

会話が弾んでいくのかと思いきや突然静かになったので、ん?と様子を見ると、自分のグラスを見つめ考えにふけっている様子。

でかいジョッキの赤梅ハイはほとんど減っていないし、ふたりで彫像のように微動だにしない。

この一時が至福の時間なのかもしれない。

数分か数十秒か、唐突に会話が再開され、傍らのおじさんは誰かと携帯で話して待ち合わせをしたらしく別の席へ移っていった。


飲食する選択肢が少ないせいか、サラリーマンや中高年のグループなどが続々と入ってきて、厨房の板さんたちも休みなく働いている。

やがてお爺さんたちも旺盛な食欲で何かを食べ、赤梅ハイのお爺さんはこれまた誰かと待ち合わせをしたらしく「お先に」と出て行った。

ふーん、すごいなぁ。

元気なんだか、体が悪いのか、昼吞みして夜は早く寝て朝早く起きて、散歩してパチンコして競馬して昼吞み。

「庄屋」にはもう何年も足を踏み入れたことはなかったが、近頃はこんな風になっているのか!(◎_◎;)

そういえば誰かから、昼吞みできる店はお年寄りでいっぱいだって聞いたことがある。

思い出せばモグランポでランチをやっていた時も、昼吞みのお爺さんやおばあさんがよく来てたっけ。

高齢化社会だものなぁ・・・。

そんなことを考えさせられた昼吞みだった。


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