もうすぐ「反省期プラス・ワン」まつりなのだ。
だからそれまでにいろいろ目標を達成しなければならない。
まずは、海まで行くこと。
自宅から荒川の河口まで、「キョリ測」で測定すると約12.1km。
徒歩だと3時間48分、ジョギングだと1時間31分、それぞれ生ビール4.0杯分と4.4杯分のカロリー消費だ。
実際に飲むかどうかはさておき、そりゃ多いにこしたことはないので、とりあえず走ってみた。
じつはこの朝、一睡もしていなかった。
“完徹”というやつだ。
なんとなくそれでいけるような気がしたので、日の出た頃合いを見計らって、深く考えずに家を出た。
朝日がまぶしく、風は爽やかだがさすがに10月半ば過ぎ、肌寒いのに半袖シャツに短パンで出てきてしまったことをすこし後悔した。
けれど徹夜明けのハイな気分のせいか、すこぶる快調で、いくらも歩かないうちにすんなり走れてしまった。
おとといまで右膝の後ろに冷湿布とサポーターをしていたというのに、まったくなんともなく、呼吸も楽で、「auちゃんパパ」＝「マラソンマン」のアドバイスがようやっと効いてきたのか、歩いている人たちを次々と追い抜いていき、なんなく平井大橋の「気分のいいお気に入りの場所」を通過した。
「海から4km」の道標の先は、まだ走ったことがなかった。
しかし道は一直線だし、河口の近くには「葛西橋」と「東京メトロ東西線」の鉄橋や「首都高湾岸線」の橋があることはわかっている。
ひたすら走ればいずれ海に出るのだから、起点の道標はそこに立っているのだと思った。
だが、違った。
ちょっと“あへぇぇ”な感じで、足もふらついたが、こうなったら意地でも海まで行ってやる。
遠くに「葛西臨海公園」の観覧車が見え、「湾岸線」と「JR京葉線」の鉄橋が迫ってきた。
もう間違いなく河口だ。
右手に東京電力の変電所の塔がそびえているし、その先は新木場だ。
と、唐突に道が終わった。
水上バスの乗り場の向こうは海、柵がしてありその先には行けない。
12.1km、完走 ! とりあえず目標達成。
わーい、生ビール4.4杯分、まつりのために貯金しとこう。
で、で、でもまて、てことはアンタ、帰りもこの距離を走るんかい ?
うへぇ、考えてなかった。
オバカだね。
行きはよいよい、帰りは怖いってなもんだ。
案の定、右膝は痛みだし、「小松川橋」まではなんとかだましだまし来たけれど、もうそこからにっちもさっちもいかなくなった。
屈伸したり、マッサージしたりと、なんとか痛みを和らげようとやってみたが、100mも持たない。
後ろ向きに歩くといくぶんいいので、後ろ、前、後ろ、前と交互に歩いて、へろへろになって帰ってきたのは、家を出て4時間半後。
これじゃあフルマラソンは、まだとうぶん無理だね・・・。
徹夜明けが悪いとは、このさい考えないようにした。
この本の「3時間睡眠・実践スケジュール」を始めてしまったからだ。
この4ヶ月ずっとカラダの本を読み続けていたその流れで、たまたま手に取ったこの本が、この節制の先にあるものだということを悟ったからだ。
いつもオヤジは変なことを考えるのだ。
でも、自己流で始めた節制生活の結果は、なんとオールクリアに近いもので、医者も驚く検査結果だったし、ここで気を抜かなければもう心配はいらないという気がする。
「このままでは死んじゃいますよ」
「酒を一生飲めない体になりますよ」
と、医者に脅かされて始めた節制だったが、メタボで死の淵を彷徨っているような4ヶ月前とは確実に変わった。
でもべつに、健康オタクになろうってんじゃない。
動機はきわめてシンプルかつ不純だ。
「酒なくて なんの己が 桜かな」
これです。
飲めないんだったら、死んだ方がましだ。
いままで30年あまり、それこそ家が1軒建つほど、カラダを壊すほど投資してきたのだ。
そんな簡単に諦めてたまるか。
たとえどこかのオバカなお役人が、生ビール1杯1万円の税率をかけたとしても、ぜったいや・め・な・い。
それに人様にお酒を売る店のオヤジが、飲めなくなっちゃぁシャレにならんじゃぁないですか。
説得力ないじゃぁないですか。
さんざん飲み倒してきたんだから、たかだか数ヶ月、1年くらいの辛抱なんて平気だ・・・。
とかなんとか言っても、すでにちょびちょび飲んじゃってるんですよねぇ。
ま、これもひとつ、仕事ですから・・・。
フワッ、もう眠い。
ヤバい、これから仕事だって時に。
えー、「反省期プラス・ワン」まつりには、自分のために焼いたお好み焼きとビールと決めているんです。
これも4ヶ月我慢してきたので、考えるとヨダレがでそうであります。
そのためには残り1週間で、目標体重55kgにしなければならないのです。
もう毎回リーチなんだけど、これがなかなかいかないんだな。
今夜、完徹36時間すぎには、きっと体重ちゃんが答えを出してくれるような気がするんだけど。
どうかなぁ・・・。
