プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 吉田修一「パレード」

2024年07月21日 | ◇読んだ本の感想。
……だと思ったのよ、吉田修一!

吉田修一作品はこれで5冊目かな?ここ1年くらいおっかなびっくり読んでいた。
何がおっかなびっくりかというと、この人の作品は後味悪い系ではないかと……
ところが今まで読んできた4冊は、案に相違してけっこういい話。
あれ?間違ってた?こんな気持ちいい話を書く人?

そしたら5冊目で本性が出ましたねー。これはまさに後味悪い系でした。
あ、この5冊というのはわたしが読んだ5冊目であって、吉田修一作品としてはかなり初期。
もしかして初期作品は後味悪いとかあるのかなあ。

ちなみに今まで読んで来たのは「横道世之介」「続 横道世之介」「国宝」「路」。
これらはいい話でした。好きだった。


本作は、それぞれ悩みながらもぼんやり生きている5人の若い男女。
シェアハウスをしている。危うい人生ながらもけっこう楽しそうに生きてて、
最後までこの薄ら明るさを維持して終わるのかなーと思ったのにさー。

ネタバレですが、最後はほんとに落ちますからね。
まあ前振りはされているわけだが、今までほの明るかっただけにその明るさがツライ。
ここをこう持ってくるか……。と凹む。恨めしい。

というわけで、こういう後味悪い系にぶつかるのが怖いから、
あとは「永遠と横道世之介」上下を借り出せるようになったら読んで吉田修一は
終わりにします。
少し前は予約が20人くらいいて借り出せなかったけど、そろそろ空きが出そうです。

今年中に読むくらいかなあ。横道世之介もほの明るい系なので、
最後の最後に落として終わるのは本当にやめてください。
正続がほんのり終わって、完結編で落とされたらダメージが大きい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする