自分の好みや趣味って知っていますか?
実はこれって普段から意識している人はあまりいないんじゃないかなって思っていたりします。
常に自己分析できている人は別かもしれません。
私自身、好きなものや趣味を聞かれるとパッと浮かばずに困ることがあります。
就職活動の面接でのことです。
「趣味は?」と聞かれてとっさに「読書です」と言ってしまいました。
一応事前に対策はしていたはずなのに、頭が真っ白になってしまい、そんな回答しかできなかったのです。
それから「どんな本を読むの?」「最近読んだ本は?」「月に何冊読むの?」「5冊程度じゃ読むうちに入らないよ」「私は月に20冊は読むよ」と社長に言われて終わりました。
最終面接でした。
今でもトラウマです。
これ以来、小説を読むのは変わらず好きですが、趣味とは言わないようにしています。
ただおかげでより好きなものなどは意識するようになりました。
元々いいなって感じたものを、切り抜いたり写真を撮ったりして収集する癖があったのですが、ある時溜まってきたそれらを見てふと気がつくわけです。
「あぁ自分はこの配色が好きなんだな」
「模様が好きなんだな」
「表現が好きなんだな」
「世界観が好きなんだな」
テキスタイルデザインだったりスチームパンクだったりビスクドールだったりと、好きなものは多岐にわたっているのですが、その中でもこういった雰囲気のものが特に好き、みたいなのが見えてきたのです。
そして私の場合はこの〝好きの集合体〟がまんま表現をする際に出てくるタイプだということにも気が付きました。
このサムネイルに使われている写真もそれです。
これらは漆塗りの手鏡なのですが、切り絵とか影絵の黒を基調とした世界観がとても好きで、それを漆でも表現したいと思ってつくりました。
漆の黒は〝漆黒〟と言われるようにとても深みがあり、ほかの塗料では再現できない独特な雰囲気があります。
私の中ではこの〝黒〟こそが漆の特徴の一つであり、色を引き立てる最大の武器だと感じています。
もちろん作品によっては黒を使わないこともありますが、でもやっぱり漆の黒は魅力的だなといつも感じます。
好きなものを知っておく。
好きなものを増やしていく。
そして好きなものを好きとはっきり言うことは自分の意志確認にもなる気がします。