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大内麻紗子の【好きなことを好きなだけ】ブログ

価値観の違いについて考える

日本の文化ともいえる工芸に携わらせてもらっている以上、日本の伝統的な民族衣装である和服を大事にすることは大前提としてあると思っています。

思い返せば子どもの頃から和柄や和物が好きで、実際に着物を着ることは七五三くらいしかなかったけれど興味があったし、今も着物への憧れはあります。

けれどこれはあくまで私の和装に対する趣味や興味や敬意の話であって、一般的なイメージの型にハマるためのものではありません。

工芸和文化+女性=着物=品位

私はこの流れに疑問を感じます。

例えば美術館に行く時に自ら率先して着ることは楽しいし、側から見ていても素敵だし、華やかでいいなと思います。

ただそれを押し付けることは違うと思うのです。

〝工芸に携わる女性なんだから着物を着るべきだ〟

本当にそうでしょうか?

和文化に携わる人はみんな日本の伝統の中にいて、それを体現しなくてはいけないのでしょうか?

実際に自分の守りたいもの、表現したいものが和装であることで説得力が増して、さらにいいものになる場合は絶対に和装であるべきです。

私もそういう場合は和装を選びます。

一方で活動の内容が、現代における革新的な工芸を目指すとか未来の工芸の在り方とか、今の時代に合った商品づくりだとかってなったときにはどうでしょうか。

現代人がより自身の生活の中でリアルにイメージできるということも重要になってきますし、未来を感じられることも必要なように思います。

私は工芸の中でも漆という素材を使っています。

使いながら漆が絵の具の様にもっと自由にいろんな場面で子どもから大人までいろんな人に使われる未来が来たらいいなと思っています。

そのためにも漆に興味のない人、漆を知らない人にも何これ?って見てもらえる作品や機会をつくりたいという思いで活動をしています。

工芸というとそれだけで重たいイメージがあってとっつきづらいものです。

だからそのイメージを変えていかないと先の未来まで残っていかないのではという焦りもあります。

何がいいたいかというと、頭ごなしに「工芸に携わる女性なんだから着物を着るべきだ」と言われてしまうと、こうしたイメージで凝り固まった狭い世界では広がりが持てないのではないかという不安を感じてしまうということです。

なんとかして工芸をもっと身近に!若い世代にも広めたい!時代に合った新しい工芸を!と動いているのに、いわゆる伝統のイメージで固めてしまっては結局これまでと変わらない狭い範囲にしか届かないのでは?とそう思うのです。

しかも女性だからという理由で着物を着ないのはもったいないとまで言われる。

さらに品位の話ともなると首を傾げずにはいられません。

例えば、イベントでワンピースドレスを着ていると夜の仕事の様で品がない、というのはとんでもない偏見です。

職業差別もどうかと思いますし、品の有無はその人自身の問題だと思います。

着物だから上品、ドレスだから下品、それはその人の価値観でしかありません。

もし私の立ち姿に品がないと感じたのならそれは私の問題で、私が日頃から気をつけなければならないことなのです。

品を出すためにイベントでは着物を着るべきだというのもなんだか不思議な話だなと思います(背筋が伸びるなど物理的な理由はわかりますが、日頃着ていない人がある日突然着たくらいでは内面まではすぐに整いません)

長くなりましたが、ちょっといろいろと考えさせられたので、自分のブログでなら許されるかな?と吐き出させてもらいました。

これに対してもいろいろとご意見はあると思います。

それも承知の上です。

ただここはひとつ、こんな考えもあるのかと、さらっと流していただけますと幸いです。

私も今回、工芸和文化+女性=着物=品位と考える方がいるということを知ることができたことはとても大切なことだと思っています。

貴重なご意見として今後の活動へと活かしたいと思います。



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