お付き合いしたくて
フェミニンな女性に
イメージチェンジ
きみは
感動してくれた
お約束の
ハグとキス
きみの肌の
香り
胸に吸いこんで
ゆっくり
ゆっくり
きみは
わたしを
ほどいてゆく
きみの
手を
待ちわびて
脈打っている
わたしの乳房
〝すること
さきにやっといて〟
母が
結婚をせかした
理由
いつでも
両親に会うからと
きみは
わたしを
安堵させる
これからの
二人暮らしは
波乱万丈
きみ
望むところよ
結婚誓約書で
初めて知った
二人の
情愛の
合言葉を決めること
初めて
二人の意見が
ぶつかった
〝痴話喧嘩記念日〟と
きみが名づけた
結婚しても
子どもは
つくらない──
思いがけず
涙がこぼれた
病の遺伝
薬の副作用
経済問題
子を育てるとは
生半可なことじゃない
きみと訪れた
明日館
ふたりの
未来を
誓うように
人生の第三章
スタートの日
二人の
入籍を待つ
結婚指輪
女同士の
話をしたかった
空にいる
姉は
笑っているだろうか
愛すべき
人々よ
きっと忘れはしない
たとえ
反目しても
愛と
哀しみから
できている
わたしの
乳房
