パンキュッシュな白昼夢

フィクションとノンフィクションの狭間を行き交う白昼夢。

現代版『自虐の詩』。今宵…あなたは目撃者になる!

神の消滅。あるいは、バッハの音楽的効能を考察する

2014-10-11 17:01:03 | コラム

「神は死んだ」

と、

ニーチェが言った。

大げさな言葉だけど、

まんざら嘘でもないらしい。

嘆かわしいほどの苦難が、

次々とやってきては、

僕をノックアウト寸前まで追いこんでいく。

もし、ニーチェの言葉が間違っているとするならば、

一時期、「第六天魔王」と名乗っていた僕への、

神からの挑戦なのかもしれない。


先日、麻布で仕事を終え、

芝公園から首都高速に乗った。

レインボーブリッジを渡っている途中で、

ひどい事故渋滞に巻き込まれた。

たまにあることなので、

とくに気にせず、のんびりと東京の海を楽しんでいた。

そんなときだ。

なんの前触れもなく、

僕は悲劇のうずまきに飲みこまれた。

また(下記参照)…

おぞましい便意が襲ってきたのだ。

トイレのない首都高速、

しかも、

事故渋滞中。

状況は最悪だ。


頭が真っ白になり、

いい戦略が浮かばない。

ただただ、僕は渋滞の波の中にいる。

車の振動が僕のお腹を刺激して、

腹痛は強まるばかりだ。

おでこに冷や汗がにじみ、

口の中が乾きはじめた。

小刻みに深呼吸しながら、

下半身の一部に神経を集中し、

その暴威を抑えこむことに必死になる。

車はまだまだ動かない。

ブラックホールのような渋滞だ。

気分転換にFMをつけると、

バッハの『G線上のアリア』が流れてきた。



癒しの曲だ。


天空をふわりと舞ってるような心地になり、

すべてを許せるような気持になった。


その瞬間、僕は我に返る。

いや、いや…

癒されてる場合じゃない。

この状況で必要なのは、

『極度の緊張』と『燃えるような闘争心』だ。

万が一、車内での惨劇になれば、

『事故車』扱いになり、

下取り価格が下がる可能性がある。

あわててラジオを消した。


渋滞がようやく動き出す。

が、

車と一緒に腹痛も加速していく。

ついに…

僕の意思に反して、うなり声が漏れだした。

身の毛もよだつような声。

さかなクンのような可愛い声の僕から想像もできない声だ。



僕は世界中の神と仏に祈りを捧げた。

まさに、困った時の神頼みだ。

人間の弱さを思い知る。

神秘的な気分になったせいか、

僕の中で『小フーガ ト短調』が流れ出す。




なんとか無事に有明の出口で降りた。

ただ、腹痛は臨界点に到達寸前だ。

有明コロシアムの方に向かい、

コンビニを探しす。

幸いにもすぐに見つかる。

犯人を追いつめた刑事のように、

車を停め、飛び出した。

人目もはばからず、

店内を走り抜け、トイレに向かう。

トイレは空いていた。

だがまだ気は抜けない。

ドアノブをつかむ手が震えている。

個室に入り、

身悶えるようにジーンズを脱いだ瞬間…

僕の目にこんな落書きが飛び込んできた。


『しゃがむな!きけん!』


さすがに…

呆然としたぜ。


そのあと、

ずっとずっと…

この曲が僕の中で流れていた。

 

『便所の落書き』

http://blog.goo.ne.jp/vaisraveena/e/c06286ce8f5bfb859e2c244ea47c9a94


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6 コメント

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Unknown (イブ)
2014-10-11 19:20:52
芝浦から~
首都高から~の
レインボーブリッジから~の

ベン・イー(笑)

惹きこまれてしまいましたよ
アリアのおかげで
返信する
イブさん (ロットン)
2014-10-13 16:19:49
文字通りの、
『クソブログ』に癒されてくれてありがとう!

さすがバッハ^^

ただ、この記事は…

『ベン・イー』氏という中国人の物語では
ございません(笑)
返信する
ダチョウ倶楽部と金子みすゞ (金魚主)
2014-10-14 15:46:40
捨てる神あれば。
拾う紙あり。
しかし髪は無し。
甘からず辛からず、
かといって美味からず。

・・・最近、コッテリ系のラーメンを食べると必ずお腹こわします。
加齢でしょうか。
いいえ、だれでも。
返信する
金魚兄 (ロットン)
2014-10-14 18:54:14
なんだろう…

このコメントの詩的な響きは。

グッとくるものがありますよ^^
マジで。ヤバイなぁ。

加齢で涙腺が緩んでるのかもしれませんw

てか…

実は、こってりラーメンに悩まされてます。
もちろん兄の指摘通りのことで。

でも、ラーメン食べちゃうんだよなぁ。

甘からず、辛からず、
そして…
美味からずでも。

ダチョウ倶楽部は高村光太郎に並ぶ詩人だとおもう(笑)
返信する
Unknown (やすまゆ)
2014-10-15 16:39:32
>ずっとずっと…
この曲が僕の中で流れていた。

ずいぶんと高貴な音姫でしたね。(笑)

それにしても、今回のタイトルを目にした瞬間、
「神」はきっと「髪」と間違えたんだと 習慣的に思ってしまったことを髪ングアウトいたします・・・。ごめんなさい。
返信する
やすまゆさん (ロットン)
2014-10-18 17:34:46
音姫だったのかな?

それだったら安心。

幻聴だったら…

しかるべき病院に入れられる覚悟はしてたんだよ^^

>「神」はきっと「髪」と間違えたんだと 習慣的に思ってしまったことを髪ングアウトいたします

やすまゆ、これ、習慣と違う。

悪意や(笑)
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