忘れたくても忘れられない記憶がある。
もう30年くらい前の話だけど…
国を挙げたキャンペーンで…
女性器の愛称を一般公募したことがあった。
男性器には陽気な『おチンチン』という愛称があるのに…
女性器には卑猥なイメージを想起させる隠語しかないので…
「気軽に呼べるような愛称を作ろう!」
と言う、官僚のすばらしく頭のよい(笑)思いつきが発端だ。
で、その結果…
『おぱんぽん』
が選ばれた。
もしかしたらこの言葉をご存じの方もいらっしゃるかもしれないけど…
当然の如く、
日本語として根付いてない。
このネーミングセンスってどうよ?
お上(かみ)が主導したキャンペーンだから、
こんなもんなのかもしれないけど、
可愛くもないし遊び心も感じない。
僕は日本人がネーミングセンスに欠乏してる民族じゃないかと思ってる。
もっと遊んでもいいのにね。
地方零細製菓メーカーが社運をかけて発売する
大人向けのスナック菓子のネーミングを、
『スナック 明美』
と提出したら…
「なめてんのか?」と
プロジェクトから降ろされたかわいそうなクリエーターもいるらしいしね。
ただし、
『ウォークマン』や『写るんです』みたいに、
素晴らしい名前で大ヒットした物もある。
あまり知られてないけれど、草刈り機には、
『草刈り機 まさお』
という製品が本当にあるしね。
バカバカしいけど…
こんな遊び心を笑って容認してくれる懐の深さは欲しい。
ただ、言葉で遊ぶのは…
商品の名前に限ってだ。
本当の意味で日本人のネーミングセンスの無さは、
昨今のキラキラネームに凝縮されてるような気がする。
『楽気(らっきー)』
『路未央(ロミオ)』
『黄熊(ぷう)』
『生粋(しぇいく)』
『奏日亜(そふぃあ)』
『一愛和(ちわわ)』
『可梨実(かなしみ)』
『桃苺橙(とまと)』
ぷうってなんだ?ぷうって?
はちみつばっかり舐めてる子供になっちまうぜ。
まぁ僕も…
甥っ子に黒抹茶(クロマティー)と名付けたから何にも言えないけどね。
なぜこんなことを書いたかと言うと…
実は…
友達の娘(20歳)が離婚の危機に瀕してる。
彼女のお腹には来年生まれてくる男の子がいるにも関わらずだ。
離婚の原因は…
生まれてくる赤ちゃんの名前だ。
旦那さんは…
『無敵(むてき)』
にすると主張して譲らないらしい。
彼女は断固として拒否している。
自分の子に『悪魔』と命名しようとした父親を思い出すけど…
旦那さんの主張通りに進んでしまったら…
次男は『爆弾』とか『帝王』なんて名前になりかねない。
離婚を盾にしてでも守りたい彼女の気持ちは理解できる。
自分の子にどんな名前をつけようが自由だ。
本当にそう思う。
だけどね…
あまりにも親の視野が狭いように感じる。
自分だけに理解できる世界観しか持ってないじゃないかと思うんだよね。
キラキラネームは確かに可愛い。
だけど、子供の将来を見据えているのかな?
芸人やアーティストならまだしも…
学校の先生が…
『山田チワワ』
だったり…
裁判官が…
『鈴木ぷう』
だったらどうよ?
全然信用できなくない?
僕はたまに、
子供の名前のパターン(原案。綺麗な漢字の組み合わせとか。名前そのものじゃない。)
をいくつか作ってくれと頼まれることがある。
そんな時、必ずこう答える。
『俺に頼むより…
源氏物語を読むほうがずっといい』 と。
源氏物語の登場人物の名前には愛があり情緒がこもってる。
1000年たった今も本を開けば煌(きら)めいてる。
主人公の『光』はもちろん…
その子供の『薫』
脇を彩る…
『桐壺』
『藤壺』
『夕顔』
『朧月夜(おぼろつきよ)』
『空蝉(うつせみ)』
どれをとっても美しく麗しい。
まったく色褪せてない。
↑好みの問題かな?古いって言われたら古いかも。
だからって…
その名前をパクれって言ってるわけじゃない。
世界観が拡がるよって意味でお薦めしてる。
てか…
源氏物語に出てくる名前が…
当時、キラキラネームって笑われてたら…
僕の立場がなくなるけどさ。
古き良き時代を回顧してみるのもいいかもしれないね。
と、ここまで書いて来たけど…
いつの世の中にも変り者はいる。
先日…
『明治 珍姓奇名番付』を読んでいたら…
最高位である横綱に驚くべき名前を持った人がランクインしていた。
その人の名前は…
『草井 有無子(くさい うんこ)』さんだ。
どうやら実際にいた女性らしい。
彼女の人生は多く語られてない。
ただ…
一生独身だったと書いてある。
有無子さんの人生を想像すると胸が痛む。
番付に乗る(しかも横綱)くらいだから彼女は有名人だったのだろう。
今よりも民度の低い時代だから…
あからさまな中傷や嘲笑があったかもしれない。
だけど…
改名してないところをみると…
彼女はコンプレックスを武器にできる強い女性だったのかもしれない。
例えば…
名前を売り物にした人気芸者だったりね。
そうであって欲しいと思う。
しかし…
草井 有無子(くさい うんこ)はないよなぁ。
親はどんな思いでつけたんだろ?
まさか…
『名前を肥やしにして強く生きろ』って願いか?
ないよな…
ないない。
ちなみに、僕の回りにも珍名さんがいる。
友達の真紀ちゃんだ。
真紀ちゃんは結婚して…
巻 真紀になりました。
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とってもハゲみになります。
ブラザー得意のフカシネタだと思ったら。ググって驚いた。
・・・ホントにあったんですね、「おぼんこぼん」の一件。
おバカさんはいつの時代にもいるんですねー。
万が一『スナック 明美』が売れた場合、
すぐに『バー 明美(棒状のお菓子)』も開発してましたよね。
『あけみシリーズ』が世に出なかったのが残念です。
あの手の名前の一群を『キラキラネーム』とネーミングした人は凄いと思う(笑
『二個羅素 啓司』は違う意味でキラキラ(=主に頭部)ですけどね。
『無敵(むてき)』。
腕組みするラーメン屋(目深なタオル)なイメージですね。
『草井 有無子』さん。
・・・伊井さんと結婚して『伊井 有無子』になれば良かったのにね。
孫・ひ孫ちゃんたちの名前は 絶対振り仮名ないと読めません
漢字変換もとても手間がかかります^^
でも おばあちゃんの名前にも不思議な感じのお名前があるので
全員がキラキラネームの時代になったら「たみ子」ちゃんは
逆キラキラなのかもしれませんね
ありがとうございます。
千葉の嘘つきおじさんと呼ばれてる僕も
たまには本気(マジとは読みません)ネタもあるんです(笑)
僕はちっちゃい方が好きですね。
「おぼんこぼん」
って違うわ!
慣れないノリツッコミさせないでくださいw
今、赤面してるはずです(^^)
『二個羅素 啓司』か…
おじさんは…
『腐乱死主』と暴走族みたいですけどね。
てか、ニコラスのおじさんってコッポラでしたっけ?
キューブリックだっけ?
ガチで忘れました。
日常でキラキラネームに接してるんですね。
いろんな名前があるんでしょ?
思わず笑っちゃうような名前が。
職業上絶対笑えないとは思いますが…。