ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

「他人の不幸は蜜の味」は、心理学の言葉で解説できるらしい。

2021-10-14 | 旧記事群

2009年に発表された論文などが取り上げている心理学の題材に、『シャーデンフロイデ』というものがある。

これは自己強化や自己正当化の欲求をトリガーとした、他人の不幸をあざ笑ってしまう特性のことを指す。

どうも、人間は自分の価値を強化・維持したいと思ったときに、自身より明らかに格下(今回は、ネガティブな要素を多く持つことを指す)の相手と比較する傾向があるという。「私はアイツよりマシだ」と思えるような比較を行うことで自己の価値を相対的に上げる癖が、私たちにはあるようだ。

そして、自己強化はそれそのものが非常に強い快楽となる。ちょうど、アルコールを摂取し、酩酊し、なにも考えられなくなった時のそれに近い。

ゆえに、不幸に見舞われたことにより一時的に格下になった相手というものは格好の比較対象であり、個人的な快楽のもと発生した笑顔に迎えられる存在になってしまうという。

 

また、シャーデンフロイデは自己強化への欲求がトリガーとなっていることもあり、自尊心が低下していたりするとその度合いが大きくなるという性質がある。疲れているとアルコールをより摂取したくなるだろう? それと似たような感覚だ。

そしてなにより、シャーデンフロイデにはたとえ自身にほとんど関係のない間柄の相手の不幸にも反応してしまうという、メチャンコ面倒くさい性質も持ち合わせている。不倫報道に過敏に反応するそれがいい例だ。もはやそれらはいったいなにに反応しているというのだ。

流石に、自身に全くない事象には反応しないようだが……?

 

シャーデンフロイデに対する明確で有力な対策は、あまりないのが現状だ。

ただ1つあげられるとすれば、自他ともに起こった不幸を受け入れ会えるだけの信頼関係を築くこと……かな。

 

ーーー他人の不幸は蜜の味。

ほんと、よくできた言葉だな。

 

 

参考文献

Wilco W. van Dijk ,Jaap W. Ouwerkerk et al. (2009) Towards understanding pleasure at the misfortunes of others: The impact of self-evaluation threat on schadenfreude.



最新の画像もっと見る

コメントを投稿