2012年に発表された論文によると、マルチタスクの常習化は課題解決の精度や対象の記憶などの、ある1つの対象に焦点を当てた活動のパフォーマンスが下がるとのこと。
だが、マルチタスクが常習化した人が特定のマルチタスク環境下に置かれた場合、焦点を当てるべき活動のパフォーマンスがシングルタスク時よりも上昇したという。正確には上昇したというよりも、シングルタスクで問題なく遂行できる人のパフォーマンスと同等になった、である。
マルチタスク常習化云々について簡単に言えば、いつもYouTube見ながら宿題やっている人はその環境に『慣れ』てしまい、テストのときに逆に集中できなくなっちゃうということ。
ここでいう『慣れ』とは、マルチタスク常習化により意識を幅広く向けられるようになったことを指す。幅広く意識を向けられ情報を収集できるようにはなったはいいが、情報の選別にリソースが割けず得れる情報の密度が下がってしまい、このような事態が起こるのだという。
なお特定のマルチタスク環境下においてパフォーマンスが上がった原因として、焦点を当てるべき情報ともう1つの情報を結びつけることでより記憶できるようになる認知上の仕組みが働いていると推測された。
ーーーマルチタスクは単体作業のパフォーマンスを下げると訴える人もいる。
が、BGMを流すことで集中して作業に取り組める人もいる。
裁量はキミにあるので、自分で決めてほしい。
が、基本的に、人間は喧騒の場で仕事できない生き物であることを、覚えていてほしい。
参考文献
Kelvin F. H. Lui & Alan C.-N. Wong (2012) Does media multitasking always hurt? A positive correlation between multitasking and multisensory integration.