2008年に発表された論文によると、一人暮らしの人は集団への帰属意識と客観的な人間関係の満足度(つまり、関係人数の多さ)が比較的低かったが、それらの変数は孤独感や生活満足度とはあまり関係がなかったという。
だが、主観的な人間関係の満足度の低さ(つまり、現状の対人関係への不満の度合い)と孤独感にはかなり強い相関が確認されたという。この現象は、人間関係への強い欲求と現状ある帰属意識の強さとの乖離によって発生しているとのこと。
つまり、孤独感や生活満足度は実際の対人関係の質や量にあまり影響されず、対象の対人関係への尺度や考え方、とらえ方によってその値を変動させるということ。
電話帳やLINEに数百人の知人が羅列していても対象が「理想的な恋人探し/親友を作る」を目標にしていたら欲求は満たされず孤独感は発生するし、地元から離れ一人でカップラーメンをすすっていても対象がそれを望んでいれば孤独感は発生しない。そんなイメージだ。
孤独感とは非常に主観的な尺度であり、少なくとも、友達の多さだけで語れるような感情ではないという。
ーーー私には、かなり着飾る知人がいる。
非常に好戦的で、うるさく、人とかかわることに熱心で、友達は私より圧倒的に多いだろう。
そんな知人が「親友をもつ」私を非常に妬んでいると、今しがた知人の元友人から聞いた。
「はは、そりゃ大層な皮肉だな、私の親友よ」
参考文献
David Mellor,Mark Stokes et al. (2008) Need for belonging, relationship satisfaction, loneliness, and life satisfaction.
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