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ばりん3g

【社会的促進】なぜ私たちは、電車の中で踊りださないのだろう?

心理学の用語の1つに、社会的促進というものがある。

これは、他者の存在が与える個人への影響を指す言葉だ。その効果を発揮させるために他者が特別なにかをする必要はなく、ただ居るだけで個人に影響を及ぼすのだという。

 

影響は、基本的に抑圧として現れる。

また、それと同じぐらい促進としても現れる。

表れの違いは、個人が抱える課題の難度によるという。いわく、他者の存在による影響は、個人が何らかの課題をこなすとき、課題が難しければ抑制として、課題が簡単であれば促進として現れるというのだ。

 

表れの違いの原因はいまも議論されているが、説の1つとして「他者からの評価を気にしているから」が挙げられている。

課題が難しいとき、つまり課題の達成が確証されず失敗の可能性があるとき、評価を下してくるであろう他者の存在が気がかりとなり、遂行が抑制される。

課題が簡単なとき、つまり課題の達成が確証され失敗の可能性がないとき、評価を下してくるであろう他者に(自分の優秀さを)アピールできると考え、遂行が促進される。

ここに、他者が真に評価を下すかどうかは関係なく、私たちの「自分をよく見せたい!」や「悪評価だけは避けたい」という欲求が他者の存在と遂行を結びつけるのだという。

 

「それなりの人が乗る電車で、踊れ」と言われても、大半の人は拒否するだろう。

電車に乗る赤の他人に、なんと思われるかがわからないからである。

「人が集まるステージの上で、歌え」と言われても、大半の人は戸惑うだろう。

壇上を見つめる集団に、万が一「歌が下手だ」と思われたくないからである。

しかし、ごく一部の人は、そうではないようだ。

 

 

参考文献

Bernard Guerin (1985) Mere presence effects in humans A review.

Blascovich, J., Mendes, W. B., Hunter, S. B., & Salomon, K. (1999). Social facilitation as challenge and threat. 

Bond, C. F., & Titus, L. J. (1983). Social facilitation A meta-analysis of 241 studies.

Natalie Sebanz,Günther Knoblich et al. (2003) Representing others' actions just like one's own.

Norman Triplett (1898) The Dynamogenic Factors in Pacemaking and Competition.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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