2019年に発表された論文によると、若年層は睡眠時にネガティブな記憶が促進されるのに対し、高齢者は睡眠時にポジティブな経験の定着が促進され、また睡眠時間が長ければ長いほどネガティブな記憶が少なくなるとのこと。
また、どういう形であれ睡眠による記憶の定着促進はどの年齢であっても発生するともある。
「年上の言うことは正しい」のような、年齢という権威を借りた脅迫や押し付けの効力に、ヒビが入った瞬間である。
人間は年齢によって感情の定着に偏りが生じたり、どの反応に敏感なのかが全然違ったりする。理由は複雑怪奇だが、おおきいものにホルモンバランスがあるらしい……?
年齢によって感情の定着に偏りが生じるのであれば、年齢を根拠とした正しさというものは成立しない。年寄りだから正しいわけではないし、年寄だから正しいということもない。もちろん、若年層だからという言い訳も通じない。
高齢者はそういわれるだけの人生経験を持っているが、それが有効に使えるかどうかは不明瞭だ。むしろ経験と感情の偏りからくるバイアスにとらわれる可能性のほうが高い。
「年上だろうが何だろうが、聞き入れた情報はきちんと精査しよう」
あと寝不足は最悪記憶障害を引き起こしかねないからな! 寝なよ!
参考文献
Sheng-YinHuan,Kun-PengLiu,XuLei,JingYu (2019) Age-related emotional bias in associative memory consolidation: The role of sleep.
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