White and Black Wing

『ツバサ』の吸血鬼双子と猫LOVE
最近はマイペースに更新中

『X』18.5巻続き3

2017年10月06日 | SS
今日は寒かったですね
このまま秋が進んでいくのかと思いきや
来週、また暑くなるんだとか……
お互いに体調に気をつけましょう

それでは以下ss続き




「神威。それは神威が天か地を選択するのが前提の話だよね?」

「……前提?」

「僕が地の龍になった時、『神威』は何もする必要はないと言ったんだ」

唐突とも思える昴流の言葉に神威は戸惑いの表情を見せ名を呼ぶ。
昴流は辛そうな表情で話を続けた。

「それなら天と地に分かれている必要があったのか考えてた」

「答えは出たか?」

それまで無言だった封真が興味深そうに昴流に問いかける。

「……そもそも分かれる必要はないんじゃないかと思ってる」

神威が自分の答えでどれほど傷つくか分かった上での言葉は
しばらく逡巡したのち涙が流れないのが不思議なほど悲しげな顔で紡がれた。
瞬間、昴流の肩を掴んでいた神威の手から力が抜け腕を伝って下に落ちる。

「俺のせいだ」

「違う」

絶望を宿した神威の声を昴流が即座に否定をするが、

「俺のせいで」

「違う。神威聞いて」

届かない。今度はもっと強く。神威の両手首を掴みながら。

「こんなことに」

「君のせいじゃない。そうなるように仕組まれていたと思うんだ」

昴流の思いがけない言葉に神威も虚を衝かれた形になる。