辛連れ苦者(つれづれくさ)

住民の健康に奉仕?するプライマリケア医です

一家にまん延

2007-03-22 20:46:17 | インポート
息子のインフルエンザが拡がったのか、患者から拾ったのか、先週末に自分がインフルエンザになった。発熱前からタミフルを内服していたためか、土曜日の夜に一回39℃の熱発があっただけで、あとは発熱はなかった。熱発時は麻黄湯の内服で対処し、日曜日は仕事だった。倦怠感の強い自分をよそに入院患者が食事を詰まらせ心肺停止になったり(蘇生はしたが、低酸素脳症で意識不明)、退院後の相談を家族としていた患者が、突然、家族の前で呼吸停止となり、お亡くなりになったり(死因は心筋梗塞だと思う)、散々な一日だった。インフルエンザで倦怠感強い中、日曜日だというのに1日で2回も心マッサージ、気管内挿管、人工呼吸、家族への説明、低酸素脳症に陥った患者の管理、亡くなった方のお見送りで、肉体的にも精神的にもかなりきつい一日であった。
その後、やはりというか火曜日の夜から娘の様子がおかしいなと思っていたら、水曜日の未明に39.4℃の発熱とともに熱性痙攣を併発。目を開き眼球は右上方に共同偏視していたが、初発で5分以内の痙攣であり、痙攣後四肢の動きに左右差はなかったので、脳症ではなく熱性痙攣と判断して朝まで様子を見た。朝にインフルエンザテストをするとA型。タミフルの10代患者に使用禁止の発表があった日ではあったが、4歳の娘で脳症に陥る可能性もあり、タミフルドライシロップを処方した。しかし、娘はタミフルを絶対に飲もうとしない。タミフルドライシロップが発売される前には、タミフルのカプセルの中身を乳糖と混ぜて子供に飲ませる試みが行われていたが、苦味がかなり強いので有名であった。やはり、ドライシロップになってもコーティングが弱いらしく口の中ですぐ苦味が出て吐き出してしまうのであろう。オブラートやゼリー、アイスクリームなどを利用しても内服困難。リレンザも試してみたが、さすがに4歳の薬嫌いの娘に吸い込むことは不可能。発熱も続いており、熱性痙攣の直後でもあるので、親としては内服して欲しいところだが、主治医としては、こんなわがままな患者はどうにでもなれという気分である。

タミフルの異常行動

2007-03-11 13:08:42 | 医療
昨日から子供が熱を出して、倦怠感が強いのでインフルエンザだろうとテストするとやっぱりA型インフルエンザだった。

インフルエンザ治療薬タミフルで異常行動が出たって、騒がれているけど、これは、タミフルというよりインフルエンザによるものと思われる。
うちの子供も、昨夜タミフルを飲ます前でも、ベッドで寝ていたのに突然起き出して走り回ったり、トイレに行こうとしたのだが、机と便器を間違えて机に排尿しようとしたりと、突飛な行動をとり続けていた。自分の子供の時を考えてもインフルエンザと思われる高熱時に悪夢にうなされたりした覚えがある。
確かに、タミフル内服者の飛び降りなんていうのは、少し異常過ぎるかもしれないが、インフルエンザ自体で異常行動は出るものである。発症後48時間ぐらいは厳重に子供を観察していなくてはいけないのは、タミフル内服しようとしまいと大事なことであるとよく判った。

ドライマンゴーにはまってます

2007-03-10 21:08:23 | インポート
交通事故による外傷で通院中の患者さん(56歳男)が2日続けて40℃の発熱を来した。検査ではインフルエンザでもなく、傷に感染の徴候もない。多少下痢気味な以外は特に症状もなく不明熱として入院させた。
入院時の白血球数は12600/μlだったがCRPは29.2mg/dlと非常に高く、意識は混濁し血圧はようやく70台で尿が少なく、5000ml点滴してようやく1000mlの尿が確保出来る程度だった。脈拍は140回/分と高度の頻脈で、心臓超音波検査で心内膜炎も否定的、肺炎もなく、尿路感染もなく、やはり傷の周りに腫脹も熱感もないというより、全身がむくみ全身が赤いのでよく判らないが、少なくとも膿の溜まりはない。腹部超音波でも胆のう炎はなく、腹水もない。セファロスポリンを外来より投与していたが熱は下がらないので、原因不明の敗血症性ショックと診断しビアペネムホスホマイシンに抗生剤を変更しコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムを1000mg/日→500mg/日×2日間投与した。この治療で、入院3日目には発熱はなくなり、血圧も上昇して尿も出るようになり意識もはっきりして、急場はしのげた。しかし、原因は不明。
実は、この患者さん、新婚さんで相手はフィリピンの方。このような、原因不明の敗血症を起こしたのは免疫不全、特に外国人とお付き合いのある方となるとHIV感染症を考えないわけには行かない。患者さんに承諾を得て調べたが陰性で、結局原因不明のままであった。

ところで、このフィリピン人の奥さんが持ってきてくれたフィリピン産のドライマンゴーがうまかった。さっぱりとした甘さで、酸っぱみもあり、歯ごたえも絶妙で癖になる。職員の一部にリピーターが出現。私もその一人で、注意してみると、日本のスーパーにも普通に売っていたので、最近は妻がスーパーに行くたびに買ってきてもらっている。

5週間ぶりのゴルフ

2007-03-04 20:32:12 | インポート
さすがに2月はインフルエンザが流行ってなくても結構忙しかった。慢性閉塞性肺疾患の方が急に悪くなった方が多かったためだ。慢性閉塞性肺疾患の方ばかり1週間で4人入院したのだが、なぜか二人続けて心停止呼吸停止となった。普通に生活していた一人はすぐに亡くなってしまったが、老人ホームから転院してきた93歳で胃瘻の患者さんは、救命出来てしまい人工呼吸器に載ってしまった・・・・・・・
家族とDNRの条件を話し合っておけば良かったのだが、その前の段階で明け方のことだったものだから、心マッサージして心臓が動き出してしまうと・・・・・・。あとで家族に「もう十分に介護してきましたから・・・・寿命ですよ。」なんていわれたものだから、余計に悩んでしまう。富山の事件以後、このような症例は考えさせられる。
さて、今日は調剤薬局の社長さんとゴルフだった。近いところで年に1回は行くコースなのでよく知っているし、天気もよく気温も20℃風もない抜群のコンディションだったがスコアはいつも通りの93(46-47)だった。寒さと花粉症のため、前回のラウンドから全く練習してなかった所為にしている。