産経デジタル 4月15日 19:47
セキュリティ強化をうたい、NTTドコモをかたる偽SMSで誘導されるサイト画面(トレンドマイクロ提供、画像を一部加工しています)
スマートフォンのSMS(ショートメッセージサービス)を使って個人情報を盗み取ろうとする「スミッシング」と呼ばれるサイバー攻撃が激化している。宅配業者などをかたる従来型に加え、携帯電話事業者を装う新手口も登場。セキュリティー強化をうたった不正アプリをダウンロードさせるなど巧妙化しており、今後も被害が拡大する可能性がある。(橋本昌宗)
情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」によると、SMSの偽メッセージにだまされて偽のインターネットサイトにアクセスした国内の携帯電話利用者数は、昨年1~3月には123件。これが同10~12月には4万3982件と、約360倍に急増した。
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このアプリは、スマホにダウンロードされると、利用者がすでに持っているアプリを不正なものと置き換え、ログイン用のIDやパスワードを盗み取ろうとする。置き換わったのがネットバンキングのアプリだった場合は、口座番号や暗証番号が流出する恐れもあるという。
ダウンロードできるアプリに制限のない「android(アンドロイド)」のスマホだけでなく、公式ストアでしかダウンロードできないiPhoneに対しても、スマホを管理するOSの設定を不正なものに更新するよう誘導するケースが確認されている。
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攻撃方法が多様化・激化している背景には、パソコンに比べてセキュリティー意識が低いスマホが広く普及したことに加え、消費者への連絡にSMSを使う企業が増えたことがあるとみられる。
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スミッシングの被害に遭わないようにするにはどうしたらいいのか。トレンドマイクロは、そもそも心当たりのないメッセージに書かれたサイトにアクセスしないことを呼びかける。
メッセージの文面が日本語としておかしいものや、送信元が意味不明な文字の羅列になっているなど、不審点に気づきやすいメッセージもあるが、巧妙に作られている場合、見かけだけでは判断できないためだ。
不正アプリをダウンロードしてしまったらすぐに削除し、スマホで設定しているパスワードなどを変更することで情報を盗み取られても被害を防ぐことができる。
スミッシング スマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)と、偽サイトに誘導して個人情報やID、パスワードなどを盗み取る「フィッシング詐欺」を合わせた造語。SMSは電話番号だけで送信できるため、ランダムに番号を打ち込めば簡単に送ることができる。
https://blog.trendmicro.co.jp/archives/20767