我が家の近くに少し高い建物の工場が建っていました
その屋根には実に沢山のカラスが毎日 朝夕並んでとまり賑やかに会議を開いていました
情報交換もするのでしょう
新しい情報を得たカラスは「じゃあ 私そこにいってみるわ」と飛び立ちます
そこへまた情報を持ち寄るカラスもいて 屋根にとまっているカラス夫々が喋りまくり 賑やかなこと賑やかなこと その数も大変でバタバタしていました
まるで街中のカラスが集まって総会を開いていたようでした
カラスは知恵者といいますが見る限りその総会では一致団結して物事を決議するようすはみられませんでした
まあ他所の団体だからそれでもいいのですが
私一寸困っています
その少し高い建物の工場が解体作業にとりかかりました
カラスの総会に意見を求めたとは思えません
カラスは誰から工場解体作業のことをきいたのでしょう
その日からカラスは一羽もこないのです
夕がた5時30分になると唱歌「夕焼け小やけ」の町内放送が流れます
~カラスと一緒に帰りましょう~と歌っているのに
私は悲しくなるのです
あんなに沢山集まっていたカラス何処に行ったのでしょう
情報交換もできない
食べ物も見つからない
カラス達はどのように生きていくのでしょう
私は何処に相談に行けばよいのでしょう
