花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

神様の杖

2018年07月06日 09時55分03秒 | 母を想う

我が家の裏庭は道路に面したところは石崖となっていて
大人がちょっと腰かけて一休みするには丁度良い花影の場所なんです
ある日その石崖のところにおばあさまが腰かけて一休みされておられました
私の顔をみてにこにこしながら言われたのです
「ちょっと一休みさせてくださいね」
石崖に腰をおろして
杖にもたれかかっておられたのです

暫くして其処に行ってみると笑顔の可愛いおばあさまの姿はもう見られなくて
杖だけが残されていました
私は辺りを見渡しましたがどこにもおばあさまの姿は見えないのです
ふと想ったのです
あれは神様だったのかも知れない
神様がこの家の住人をみに来られたのだと
私は主人に言ったのです
「これは神様の杖」だと
神様の杖はあれからずっと長く車庫に置かれていました

先日主人が使っている杖の先端が傷んできたので
私は云ったのです
「新しく買い求めるまで 神様の杖を使わしてもらいましょうよ」
すると主人は聞くのです
「神様の杖?」
主人はもうあの時のことを忘れているのだねと思いました
そして私の差し出す神様の杖を見て主人は言ったのです
「これはおばあちゃん(私の母のこと)の杖だ」

私のこころが動揺するではありませんか
では何年も前のあの時に私が神様とおもった
笑顔の可愛いおばあさまは私の母だったのかしら




琉球月見草かよわそうですがまだまだ花を咲かせています