一人ディズニー見聞録

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遠い昔(10年前)の「メリダとおそろしの森」

2022-02-08 18:15:29 | 映画
「わたしたちは20年前のことも、すぐ最近って言うのよ!!」。これは、なんかの番組でマツコ・デラックスが言っていたことだ。今年で50歳になるマツコさんにとってはそう感じるかもしれないが、自分からしたら20年前はまだ7歳。小学校に入学した年だ。これでは20年前を最近とは言えない。


今の自分の感覚からすると「最近」と呼べるのは5年前ぐらいだと思う。5年前は実家暮らしの大学4年生で、最後の学生生活を謳歌していたので、記憶は鮮明に覚えていて「最近」と呼ぶにはふさわしいと思えた。しかし、10年前となると「最近」とは言えなくなる。当時は高校2年生だったが、アメリカへの語学研修ぐらいしか記憶がないので、「最近」ではなく遠い過去になっている。


そんな遠い過去の10年前の2012年に公開されたのが、『メリダとおそろしの森』だ。先週初めてその『メリダ~』を観たが、ピクサー作品初のプリンセス映画にしては今までのプリンセスものとは異なり、2つの新しい要素があることに気づいた。


1点目は、男性キャラクターとの恋愛が描かれていないことだ。『メリダ~』までのプリンセス映画では、必ず王子様ないしは男性キャラクターとの恋愛劇が必ずあった。『メリダ~』の前に公開された『塔の上のラプンツェル』(2010)でも、主人公のラプンツェルが盗賊のユージン(フリン・ライダー)との恋愛が描かれていた。しかし『メリダ~』では、そのような演出や描写は一切ない。


一応王子様たち(他国の領主の息子たち。しかし、3人とも不細工でイマイチ)は出てくるが、メリダは彼らを見る気もせず、どの王子たちとも結婚したいとは思っていなかった。この異性との恋愛劇がない演出は『メリダ~』後の『アナと雪の女王』(2013)、『モアナと伝説の海』(2017)、『ラーヤと龍の王国』(2021)などのプリンセス映画には登場していない。つまり、『メリダ~』は現在のプリンセス作品の演出の先駆けとも言える作品なのだ。


2つ目は、ディズニープリンセス映画初の母と娘の関係が描かれていることだ。今までの作品にも母と娘の関係が描かれていたが、たいていの場合、母親(しかもみんな継母)が娘の美しさに嫉妬して嫌がらせ(『シンデレラ』のトレメイン夫人)、ないしは殺人を企ていた(『白雪姫』の王妃)。また、『塔の上のラプンツェル』では魔女のゴーテルが母親と偽り、ラプンツェルの髪の能力を独り占めしていた。


しかし『メリダ~』では、メリダが母のエリノア王妃と対立しながらも、魔法で熊に変えられた母を救うなど、母娘の絆が描かれた新しいプリンセス映画だった。年頃の娘は母親と対立することはあるが、関係が修復すると強固な絆が生まれるものだ。


遠い過去に公開された『メリダ~』は、現在のディズニープリンセス映画の礎とも言える作品だ。そして、メリダの日本語版を吹き替えた大島優子は、当時AKB48に所属していたため、女性アイドルグループに所属するアイドル初のディズニー作品の吹き替えを務めたことも付け加えておく。


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