前世紀の話だが、海外で日本の本を読むことは、楽ではなかった。今と違って、本屋で売ってないのだ。内地の知人に頼み、送ってもらって読むのが普通であった。
したがって、本を読みたければ英語の本を読むことが多くなった。最も多く読んだのは、アガサ・クリステイーの推理小説であった。読み終わると、「これ面白いよ」と現地職員にあげてしまったので、手元にはほとんど残っていない。
コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」も、かなり読んだ。どちらが面白いかと言えば、アガサ・クリステイーの方。取り上げている時代が、現代に近いからだろう。アガサ・クリステイーのものは、テレビで放映されているが、細部において原作と異なる部分がある。これも良しとして、楽しく視聴している。