2021年10月20日(水)今日は雨。朝大きな雷の音がして、外を見ると虹が出ていてびっくり。
寒い1日になりました。毎年雷が鳴って冬が到来しますから。雹が降りました。えっ?もう冬なの?

人間の皮膚や血液などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養してiPS細胞を作るということですが、具体的には何をどうしたのか?
山中教授はES細胞に興味を持っていた。とりわけES細胞の遺伝子に目を付けて、奈良先端科学技術大学院大学の助教授(現在の准教授)だった2000年頃から、新しい多能性幹細胞の作製方法の研究に取り組んでいたそうです。
現在のiPS細胞を作り出せたのは、このES細胞の数多くの遺伝子の中からわずか4つの遺伝子を見出したことにあります。
そしてこの4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)をレトロウイルス・ベクターを使って、マウスの皮膚細胞(線維芽細胞)に導入し、数週間培養すると、リプログラミング(体細胞が多能性幹細胞に変わることを、専門用語でリプログラミングと言う。)が起き、ES細胞に似た、様々な組織や臓器の細胞に分化することができる多能性幹細胞ができたそうです。
山中教授はテレビ番組の中で、「大体あたりをつけて4つの遺伝子を選んでそれを導入したらできちゃった!」なんてことをおっしゃっていました。なんとも健威を振りかざさないきさくな謙虚な態度に私はおそれいったのです。これが本当に優秀な人なんだと。
話を戻して、レトロウイルス・ベクターなんですが、これは、ウイルスのDNAの一種で、4つの遺伝子をレトロウイルスのDNAに組み込み、このウイルスに運び屋をやらせて細胞に感染させることにより、遺伝子を導入するのです。
分かりやすく表現すれば、運び屋レトロウイルスがレトロウイルス・ベクターなのですね。(ウイルスのことを勉強していた時にレンチウイルスやアデノウイルスなどもウイルスベクターとしてありました。)
以上のことをマウスを使って成功したのが2006年。世界初マウスiPS細胞の誕生でした。
さらに工夫を重ねて、人間の皮膚細胞に導入してヒトiPS細胞の作製に成功したのが2007年11月でした。