2025年2月25日(火)関東も晴れ、北陸の自宅も晴れだ。自宅を離れていたが、今日帰ってきた。雪は昨日までだったようだ。よかった!!!
「ダウン症」の原因染色体除去成功
最近のニュースで驚いたものがある。
三重大学の研究チームが2025年2月19日に「ダウン症」の原因染色体の除去する技術を確立したと発表している。かなりびっくりしたぞ!!!
ダウン症候群(21トミソリー)とは、通常は2本で1対となっている21番目の染色体が、1本多くなり3本(トリソミー)になることによって起こる先天性の疾患だ。
どんな技術か?
まず、CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)という技術を用いる。
これは、2020年のノーベル化学賞を受賞した技術で、ドイツの研究機関とアメリカの大学の研究者2人が受賞している。
「細菌」の免疫の仕組みを利用して、ゲノムと呼ばれる生物の遺伝情報の、狙った部分を極めて正確に切断したり、切断したところに別の遺伝情報を組み入れたりすることができる、「ゲノム編集」の画期的な手法だ。
さらに、そこでは、2012年ノーベル生理・医学症を受賞した技術であるiPS細胞を利用する。
この2つのノーベル賞を獲得した技術を組み合わせている。
ダウン症の方の皮膚から細胞を採取して、その細胞から様々な体の細胞に化ける事ができるiPS細胞を作成する。このiPS細胞にCRISPR-Cas9の技術を使って、21番染色体の余剰分のみを正確に削除することにより正常な細胞に戻す。
3本ある21番染色体のうち特定の1本を狙い撃ちし、最大37.5%の頻度で過剰な染色体を除去することに成功。さらに、染色体が正常化された細胞では、遺伝子発現パターンなどの特性も正常に戻ることを確認。
将来的には胎児の段階で21番染色体の余剰分を削除することにより、出生後に発症するダウン症の障害を抑える事を目指して研究を進めるようです。
ただし、余計な染色体を100%完璧に切断することは非常に困難で危険が伴う。ips細胞により修復されるが、修復の過程で、重複や欠失などが起こり元の染色体と異なる配列になる可能性が高い。
そこで、今後は染色体を切断せずに、その働きを抑える手法の開発も目指すようだ。
参考:三重大学、日経新聞