京都市下京区天満町456-2
「りょうりや 御旅屋(おたや)」 【1471】
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京阪「清水五条駅」を下車し鴨川に架かる五条大橋を渡り、高瀬川に沿って木屋町通を約700㍍上った高辻角に佇む、隠れ家的雰囲気満載の小さな料亭です(以前ご紹介した「大傳月軒【1433】」が高瀬川を挟んだ向かいに在ります)
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店内のテーブル席と個室からは、窓越しに高瀬川を眺めることができ、しっとりとした風情に浸れること請け合いです。 尚今回は左手の個室での会食です。
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テーブル席。
肩ひじ張らず、リラックスして料理がいただけるのも、此処の特徴の一つです。 他にカウンター席も設けられており、収容能力は合計で約18名とコンパクトです。
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お品書き①
屋号の御旅屋についての由来と、ご主人の挨拶文が綴られています(苗字なんですね)
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お品書き②
リーズナブルな値段設定のラインナップですが、特に日本酒には拘りを感じます。
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お品書き③
手土産用の「ガトーショコラ」についての解説文です。
さて今回の会席は、アルコール別で「おまかせ 5,000円」を事前にお願いしました。 どんな料理が出て来るか、ワクワクドキドキします!
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先ずは前菜「鳥貝と水ナスのゴマ酢和え」
コクと爽やかさを併せ持つゴマ酢が、瑞々しいトリガイと水ナスを柔らかく包んでおり、思わず「うん!旨い!」です(器の趣きにも、ご注目ください)
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吸いもの「鯛の道明寺蒸し」
薄くず仕立ての椀物で、ホロホロと溶ける白身の上品さといい、餡の穏やかな出汁加減といい、申し分無し!
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造り「天然鯛、剣先烏賊、鰹」
鮮度の良い、身の締まったものが使われており、山陰育ちのおやじでもこれなら納得です。 もちろんワサビも、サメ肌で挽いてありますよ。
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焼きもの「鱒の幽庵焼きと稚鮎の天ぷら」
マスの表面に施してある酒粕の塩梅が絶妙で、思わず「ご飯!」と叫びたくなるほどでした。 稚アユの天ぷらも、躍動的な若々しさがありお見事! またアユにのってるコシアブラも、ポリフェノールたっぷりでOK!です。
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「20種類の野菜のサラダ仕立て」
チョイト変化球的な献立ですが、逆にご主人のセンスの良さが感じ取れる一皿で、20種類の野菜にポン酢とジュレが程よく絡み、一般的なソレとは一線を画す美味しさがあります。 また添えてある、サバのへしこのソースも、独特の風味があり変化が楽しめ良い。
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「笑四季 一合 1,000円」
蔵元が滋賀県甲賀市水口町に在る、とてもユニークでマニアックなお酒ですが、おやじはコレが大好きなんです(ネーミングの「マニアックラヴ#1 星空シネマパラダイス」からして、日本酒のイメージからかけ離れていますね)
アルコール分16度の辛口仕立てのわりに、ふくよかな甘味とキレを感じ、正にニューウエーヴタッチのお酒といっても過言ではない、稲妻的衝撃を感じる一杯です。 旨い!
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温もの「白ズイキと鶏肉の葛煮」
穏やかな味わいの葛餡に浸る、ズイキの心地よい食感と、柔らかな鶏肉の旨味のコントラストが実に小気味良く、今回一番のお気に入りの逸品でした。
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ご飯「おじゃこごはん」
山椒のキリリと効いたおじゃこをご飯に絡めいただくと、「あ~生きてて良かった!」と、声が自然に零れましたよ。 もちろん赤出汁も漬物も、しっかりと手を掛けてあり、最後まで楽しめました!
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デザートの「プリン仕立てアイス(カタラーナ)」
ホンノリとした和三盆の甘味が口中に広がり、やがてスッと消え、同時に楽しかった一時の幕も、静かに下りました。
周りの移ろいも取り入れた季節感のある、細部にまで妥協の無い、拘りが垣間見える献立の数々は、喧騒とした日常からひととき、解き放されたような空間を彷徨う気分に、おやじを導いてくれました。 ご馳走様、また季節の節目に伺うことにします。
*ミシュランガイド京都・大阪2016(2015年10月発行)ビブグルマン・コストパフォーマンスの高いレストラン、掲載ページ/69ページ。