花、昆虫、風景など

日常感じる季節の諸々を、花、昆虫、風景などを通じてアップしていきたいと思います。

特別展 道教の美術

2009年10月24日 | Weblog
「道!老子からはじまる終わりなき旅・・・」
という副題で、大阪市立美術館で、9月15日から10月25日まで、「TAOISM ART From China to Japan 道教の美術」特別展が開かれています。
この特別展、実は今日で3回目なのですが、国宝を始め、重要文化財や重要美術品が数多く展示されています。
中でも自分が気に入ったのが、国宝の「七星剣」、葛飾北斎筆の「文昌星図」、重要文化財「妙見菩薩立像」等です。
ただ残念なことに今日は葛飾北斎筆の「文昌星図」は展示されていませんでした。



全体の展示構成として

第1章  中国古代の神仙思想
第2章  老子と道教の成立
第3章  道教の信仰と尊像
第4章  古代日本と道教
第5章  陰陽道
第6章  地獄と冥界・十王思想
第7章  北斗七星と星宿信仰
第8章  禅宗と道教
第9章  仙人/道教の神々と民間信仰
第10章 道教思想の広がり
第11章 近代日本と道教
第12章 拡散する道教のイメージ

とありました。
6章と7章・9章が特に見応えがあったかと思います。

田辺市上秋津境に十王堂があります。
地元の人は「じおんど」と呼んでいますが、ここには第6章がそのまま閉じ込められているのでしょう。
丁度長野、三栖、上秋津の境目になります。
昔はこういう集落の境目に結界として十王(閻魔大王も十王の一人です)が祀られていたのかもしれません。



葛飾北斎の「文昌星図」は第7章に展示されていました。
文昌星とは北斗七星の杓と柄をつなぐ部分、柄杓の先の星から4つ目の星になります。
北斎の絵ではこの4つ目の星が描かれてなくて、代わりに文昌帝君の像が描かれているのです。
この絵には鬼気迫る迫力がありました。
個人的に北斎が好きだということもありますが、北斎の仕事は過ぎるくらいの幅があり、それがすべて完結されているのです。
彼には本当の天才を感じます。



第9章では一般に知られている、鐘馗図がありました。
5月5日の節句に必ず飾られる鐘馗さんは、病気を治す神様としても知られています。
子供が元気にすくすくと育つようにという親の願いが込められて、鐘馗人形を飾るようになったのでしょう。

他に走り大黒の像もありました。
これは本当にユニークな彫刻で、今まで見たことのない作品でした。
風になびく衣も、まるで今にも動き出しそうな表情をしていました。
これは今でも十分通用する美術品であると感じました。
結果が残っていないだけで、昔の人にも定型を破ろうとする試みはあったのですね。
この作品には非常に親しみを感じました。

他にも色々心に残った作品はあったのですが、長くなるので、この辺りで終わることにします。



天王寺駅近くの工事現場です。
何ができるのでしょう。