日々雑感

新型コロナ対策での対応の甘さ・遅さ

新型コロナ対策で政府の対応についていろいろと議論されている。対応が甘いとか遅い等の批判も多い。私は安倍政権は支持しないが、現状の安倍政権の対応は概ね妥当と考えている。(マスクを世帯あたり2枚配布というニュースを聞いたときは、2箱の間違いでないかと思ったが。) 対応が甘い・遅いように見えるのは結局日本がまがりなりにも民主主義国であり、強権をいきなり発動できない国であるからだ。
その意味では、安全保障関連法案等で比較的右の方に位置するといわれる安倍政権でも今回の新型コロナへの対応で現在のような形をとったことにて、日本のそれなりの民主主義の成熟度の高さを感じた。

民主主義の国には政策に関しての説得とそれなりのコンセンサスの醸成というプロセスが必ず必要であり、そのステップをなくしてよいことにしてしまえば国家権力が大きな間違いを犯すリスクを大きくしていまう。過去の経済危機への対応についても同様の甘さ・遅さは言われたが、国家権力が大きな間違いを犯すリスクを低減するには政策の甘さ・遅さは必要なコストであると考える。

中国のようにいきなり強権を発動できる社会がよいとは思わない。韓国での対応の速さも、徴兵制度を持ちある種の臨戦態勢にあることが寄与していると思われる。新型コロナのような疫病対策には強力・迅速な対応行い、国民の異議申し立てには強権を発動せず十分な民主主義的対応を行う政府というのは想定しずらい。疫病対策に強権を発動できる政府は、他のことにも強権を発動できる政府なのだ。

”個人の上にかぶさってくる国家権力”というものを想定するかしないかが、政府の今回の新型コロナ対策への対応の甘さ・遅さへの批判態度を分けているように思われる。

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