日々雑感

再び「従軍慰安婦」について

シノドスという”専門家による解説”を行うというサイトで李順愛という人の”臨界点に直面した韓国女性団体連合の「進歩性」”という論文を見つけて「従軍慰安婦」の件で新たに思うことがあったので書きたい。これまでの私の「従軍慰安婦」問題に対する理解のまとめでもある。

李順愛という人はそのサイトの解説によると1953年生まれの在日朝鮮人二世で日本の大学の教員をしている人のようだ。全般的にこのサイトもこの著者も信頼できるようなので、その論文内容が正しいとしてこの文章を書きたい。論文の記載内容は私の知っている範囲の報道内容と矛盾しない。

・韓国の「従軍慰安婦」支援団体はほんとうに「従軍慰安婦」の”支援”を目的としていたのか?

上記の疑問が前からあったがこの論文を読んで「従軍慰安婦」支援団体の目的はその支援および問題解決ではなかった。その目的は運動自体の継続とその運動を通して自分たちが権力を得ることにあったのだと結論した。

アジア女性基金の中心人物の一人で元「従軍慰安婦」へ日本の総理大臣の謝罪の手紙とお金(お金の名前はいろんな言い方があるだろうがとりあえずお金と書く。)を渡す運動をした国際法学者の大沼保昭教授は文章には残してはいないが、その晩年に韓国の「従軍慰安婦」支援団体への失望を口にするようになっていたとと伝えられている。大沼保昭教授は結局「従軍慰安婦」支援団体が「従軍慰安婦」の支援および問題解決よりも自分たちの運動のほうが大事だと考えていることを悟ったからだと思う。

「従軍慰安婦」支援団体は文大統領下で一時期絶対的権力を持っていた。元「従軍慰安婦」とされる人の一人が支援団体の内情を告発するまでそれは本当に韓国の誰も逆らうことのできないほどの不可侵な権力団体となっていた。絶対権力を持てば絶対に腐敗してしまう習いに従い、この支援団体も腐敗していったようだが、それは脇の問題だろう。主問題は「従軍慰安婦」支援団体は「従軍慰安婦」という韓国国民の琴線に触れやすい問題を運動のエネルギー源として利用しながら、実際には支援団体の人々は元「従軍慰安婦」を蔑視していたことであろう。この論文はこのことを正面から指摘していて腑に落ちた。(韓国内ではこのよな正面からの指摘はできないのかもしれない。「従軍慰安婦」関連の著作で韓国側に不利な内容を書いて起訴されている韓国の大学教授もいることであるし。)

この論文にて著者は”私は久しい前から「蔑視」だと考えてきた。それは元「慰安婦」をふくんだ、もっと広く、自分の身体を売らざるをえないような最底辺の女たちへの無自覚の「蔑視」である。お金をもらったもらわないは問題ではない。元「慰安婦」のなかに、「女連の中心的指導者たち」のようなエリートなどいない。”とのべている。(”女連”とは韓国女性団体連合の略で 「従軍慰安婦」支援団体の立ち上げ等にも関わってきたフェミニスト運動家たちを指す。) また韓国の女性運動家たちの「従軍慰安婦」に対する上からの目線についても述べている。「従軍慰安婦」を「蔑視」していることが根底にあるから自分たちの運動が大事で「従軍慰安婦」は実はどうでもよいのだといことが良く理解できる論文である。

「従軍慰安婦」問題は今後もくすぶり続けるであろう。このような構造のなかで日本はどう対応するか?との話にはなるが、結局2015年の「従軍慰安婦」合意で解決済とつっぱるしか方法はないだろう。韓国内の「従軍慰安婦」問題は上記を一例としてあまりにもこんがらがっていて外国から手の出るような問題ではないからだ。

2015年の「従軍慰安婦」合意も破棄されることは場合によってはあり得る。その時は結局あと300年くらい待つしか方法はないだろう。500年か?(2023/5/2)

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