カタール人権問題についてイギリス他西洋諸国が非難している。英国『BBC』は開会式放送を“拒否”したという。
とりあえず非難は正当だと思う。”人権”という概念は西洋にて生まれたものではあるが、人類に普遍的なものと考えられ、カタールではそれは侵害されているとの認識は正しいと思われるから。非難しないよりした方が良いとは思う。ただ西欧諸国の”人権”批判にはどうも説得力がない。
それに説得力がないのは結局、「自分の過去の悪行を棚に上げて他人を批判しても説得力がない。」というこれも”人類での普遍的”な事象によるものだろう。過去の西欧諸国による中東に対する植民地支配(人権蹂躙の最たるものだ。)について棚にあげて、今の中東の”人権問題”を非難しても説得力は当たり前のようになくなってしまう。
21世紀になってから不十分ながらも西欧諸国による過去の植民地支配に対する謝罪が出てきている。
FIFA会長は「説教するな」と言っているとの報道があるが、これは「説教するな。」というより、「自分の過去の悪行に対する内省を同時に示しながら、現状の人権問題に異議を申し立てろ」と言うべきだろう。
イギリスは西欧諸国のなかでも過去の植民地支配に対して非を認めることに対して最もためらっているように見える。BBCは”過去の植民地支配に対して非を認めながらも現状の人権問題を非難する。”というスタンスがとれないものか?
(2022/11/27)