NHK総合テレビ番組『ファミリーヒストリー』は面白い!
著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材する番組で
本人の知らないルーツが、どんどん判明していく
驚きあり、感動ありのドキュメンタリー番組です。
今を生きる自分自身のアイデンティティを確かめるには
父や母に目を向けなければいけません。
父や母がいたからこそ、「命」が繋がり
今ここに自分が存在する。
無数の偶然が積み重なって
今ここに自分が存在する。
今、この世でこうして生きていることが奇跡。
番組を通して気づかされました。
父と母はそれぞれどんな人生を歩んできたのか
父と母はどんな出会いをして結婚したのか
父と母に聞いてみたくなりましたが
父も母も亡くなり、今では聞く術がありません。
最近の私は人生を振り返る機会が多くなると同時に
父と母に目が向くようになりました。
上記の絵はポプラ並木をイメージして描きました。
私が中学生になった頃から今日にいたるまで
それは突然にやってきます。
それとは「死」について考え“眠れない夜”のことです。
「死」とは私自身の死であり、身近な人たちの死です。
「ミレニアム」と騒がれた2000年を迎えることができずに
私の父は永眠しました。
父は医者からあと半年しか生きられないという
余命宣告を受けていました。
それでも最後の最後まで病気と闘いつづけましたが・・・・・
私と父はシャイで無器用な関係でした。
2人だけで話すことはほとんどなく、何かあったらお互いに
母や姉を通して伝えていました。
私が独り暮らしをするようになったのは、そんな父との窮屈な関係
から逃れたいという気持ちがあったことも一因しています。
父の死の数日前、2人だけで話す機会がありました。
会話の内容は思い出せないくらいのたわいもないものでしたが
寂しそうにつぶやいた最後の一言・・・「もう、だめだよ」が
忘れられません。
威厳があり、弱い部分を決してみせることがなかった父でしたが
その一言に対して、私はかえす言葉もなく
沈黙の時間が流れていきました。
死装束を着た父の姿をみながら
なぜもっと2人で話をしなかったのかと後悔しました。
そういえば私は父と2人で歩いた記憶がありません。
父といっしょに歩いてみたかったな・・・・・
そんな気持ちが強く残っているのか
雑踏を歩いていると、その中に父がいるのではと
今でもその姿をさがしてしまいます。
北国の雪景色をイメージして描きました。