38歳婚活美人「趣味は料理」アピールの致命的ミス 「人柄はよいのにお断りされる」問題を考える様記事抜粋<
お見合いや仮交際に入ったときに、話は合うのだが、“交際辞退”または“交際終了”と、お断りをされてしまう人がいる。「お人柄はよいのだが、結婚相手としては難しい」と判断されたからだ。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けする連載。今回は、人柄はよいのにお断りをされてしまうケースの裏側に潜んだ理由をご紹介したい。
料理好きの女性だったが…
まずは、凝りすぎた趣味はいい結果をもたらさないという、典型的なパターンから紹介しよう。
さだお(41歳、仮名)がお見合いしたみゆき(38歳、仮名)のPR欄には、「趣味は料理」と書かれていた。料理好きは、男性からの好感度も高いはずなのだが、お見合いを終えたさだおは、交際辞退を出しながら言った。
「お写真通りのきれいな女性でしたし、終始笑顔でお話ししてくださって、とても感じのよい方でした。プロフィールの“料理が好き”というのにも、会うまでは心惹かれていたのですが、料理の話を聞いているうちに、一緒に生活していくのは難しいなと思いました」
若い頃から、和洋中の料理教室に通って、プロの味により近づけるように勉強してきたという。包丁や鍋などのキッチン用具も、量販店の安価なものではなくプロが使う高価品を使っているそうだ。
「調味料やスパイスもかなりの種類を常備しているとか。おいしいものを食べられるのはうれしいのですが、自分は食にそれほどこだわりがない。彼女とは食生活の価値観が合わないと思いました」
生活をしていくには、お金がかかる。生活必需品のすべてが高騰している昨今だ。
「住居費、光熱費、税金は、値上がりしても支払わなくてはいけない。何で家計を節約するかといったら、食費だと思うんですよ。食に興味があればエンゲル係数が高くなっても気にならないでしょうけど…
また彼女の性格を、こうも分析した。
「“どんな料理も完璧に作れるようになりたい”と、いろんな料理教室に通ったみたいですけど、そのこだわりの強さが、彼女の性格そのもの。“料理好き、イコール家庭的”とは違うんだなというのが、今回の感想でした」
お見合いで、「〇〇がプロ級!」というアピールは、それが個性として際立ってしまい、そこに費用がかかることがわかると、プラスの魅力よりもマイナス要因が大きくなることがある。気をつけたいところだ
嫌いじゃないが、お金がかかる
続いては、ペットを飼っているかどうか。これでもお見合いの成功率は低くなってしまう。
さとる(47歳、仮名)が、お見合いしたななこ(45歳、仮名)に交際辞退を出した。その理由がこうだった。
「猫を多頭飼いしているようです。3匹だったのが去年1匹亡くなって、今は2匹。そのうち1匹は、もう10年以上一緒に暮らしているとか。私も実家で猫を飼っていたので嫌いではないんですが……」
ペットがいると、まずは住むところに制約がかかる。持ち家もしくは分譲マンション。賃貸の場合は、ペット可のところ。ペット可の物件は、同じ間取りでも不可のところより家賃が高くなる傾向
「それに、動物で10年生きているということは、すでに老齢の域。旅行に出かけるにもペットホテルが預かってくれないし、動物も歳をとると病気がちになる。日々のエサ代に加えて、動物の医療費は高額ですよね」
ただ“一緒に暮らしてきたからこそ、愛情も深くなっていることはわかる”そうだ。
「家族の一員だと思うんです。僕よりもペットを優先する場面が出てくることもあるかと。そこを大きな気持ちで許せるかなというと、自分にとってはハードルが高い」
また、動物アレルギーの人は、ペットを飼っている人を選ばない。これまでペットを飼ったことのない人は、犬や猫が家の中を歩き、ソファーや食事をするテーブルの上に乗ることに衛生面での不安を覚える。
ペットを飼っている人は、ペット好きの人を探さないといけないので、そこで選べる人の範囲が狭まってしまう
酒好きと下戸はうまくいくのか?
生活習慣の不一致も不成立につながりやすい。例えば、酒好きと下戸の組み合わせはどうなのか、という問題だ。
さとし(47歳、仮名)は、ふみえ(45歳、仮名)とお見合い後、5度ほど会った。さとしは郊外に一軒家を購入していて、その家にもふみえが訪ね、「鍋を一緒につついた」と先日報告を受けていたので、これは成婚も間近だろうと筆者は踏んでいた。
ところが、さとしから「2人で話し合ったのですが、交際を終了することにしました」という連絡が入った。
「私はほぼ毎日お酒を飲むのですが、ふみえさんから『結婚したら、お酒はできるだけ控えてほしい』と言われました」
さらに、小太り気味のさとしに、「食事制限をして、土日は私と一緒にジョギングしましょう」とも提案してきた
「私の健康を考えてのことですが、その要求が溝になりました。ふみえさんは、まったくお酒を飲まないし、ウォーキングやランニングが趣味。食事や酒を制限されたり、運動を強要されたりしたら、私自身がストレスを感じる。これでは結婚をしてもうまくいかないと思いました」
お酒好きの人のなかには晩酌を楽しみにしている人も少なくない。ところが、お酒を飲めない下戸は、毎晩の晩酌は体を壊す元だと思っている。また飲みながらの食事はどうしても長くなるし、飲むほどに陽気になったり、話がくどくなったり、からんできたりすることに嫌悪を覚える人も多い。
筆者の経験則となるが、お酒好きの人とまったく飲まない人のカップルは、うまくいかないことが多い。
また、実家暮らしは男女ともに問題になることが少なくない
男性の実家暮らしは、婚活の世界では女性から人気がない。ことに、40代、50代で一度も実家を出たことがない男性は、家事や食事を親に任せている人が多いし、親離れができていない印象を与える。
また、逆も然りで、実家暮らしの女性を敬遠する男性もいる。たかお(37歳、仮名)は、実家暮らしのみねこ(35歳、仮名)と仮交際をしていたのだが、3度目のデートを終えて、交際終了を出してきた。
「実家には毎月2万円を入れて、残りの給料は好きに使っているそうです。美容代や服、小物にお金をかけているようなので、先日それとなく、『貯金はしているの?』と聞いたら、『あんまりないかな』と無邪気に笑っていました」
親離れができていない子
結婚をするとなると、指輪、結婚式、新婚旅行、新居の準備など、物入りになる。婚約指輪は男性から贈られることが多いが、そのほかの費用は折半にしているカップルが多い。みねこに結婚費用のことをどう考えているかを聞いたら、あっけらかんとこう答えた。
「結婚費用は親が出してくれると言っています。『それが親の最後のつとめだ』って。だから甘えちゃおうかなって思っています」
35歳にもなって、親に依存している様子にたかおは驚いた。
「この調子だと、結婚後も何かあれば、実家を頼るのではないかと思いました。家事全般もできるか不安だし、家計をきちんと管理できるかどうかも心配です」
実家暮らしの場合、一人暮らしの女性に比べて経済観念がどうしても緩みがちだ。親との関係も近く、“親離れができていないのでは”と懸念されることも多い。
「会社と実家が近く、一人暮らしをするメリットがない」という女性もいるが、実家暮らしをしている場合は、精神的自立、金銭的自立をしっかりとアピールしたほうがいいだろう。
人柄だけではなく、その人の自立心、経済観念、趣味嗜好、ライフスタイルの一致など、さまざまな面を鑑みてお相手選びをするのが結婚だ。いいところまで話が進むと、お断りが来てしまう人は、裏側に潜む「理由」をもう一度考えてみるといいかもしれない