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24/10/29火10:20[153.18]徳島県小松島市が挑む「自治体DX」 行政運営のDXにらみサーバー群を一新、オールインワン型HCIで何が変わったか

2024-10-29 10:19:45 | 米国株
徳島県小松島市が挑む「自治体DX」

行政運営のDXにらみサーバー群を一新、オールインワン型HCIで何が変わったか日本ヒューレット・パッカード様記事抜粋<

「コストパフォーマンスの高いハイブリッド環境」とは

 小松島市の職員はおよそ400名。年々増大する業務に対応するために、デジタル化を含めて現場レベルでは様々な業務改善が進められてきた。行政運営のDXとこれを支えるインフラ整備が、「小松島市DX推進計画」として全庁レベルに引き上げられた背景には、コロナ禍の深刻化があったという。

 「市役所の業務を停滞させないために、全庁に無線LAN環境を導入し、場所を選ばずオンラインで業務を行える環境を整備していきました。これと並行して取り組んだのが『庁内ITのモダン化』です。ハイパーコンバージドインフラHPE SimpliVityを採用し、インターネット接続系、LGWAN系を中心にシステムの統合を進めていきました」(新田氏)

新田裕介氏
小松島市役所 総務部 DX推進課 係長

 国からは自治体に対してクラウドファーストの方針が示されており、小松島市でも2025年度に基幹系システムのガバメントクラウドへの移行を計画している。

 「それでも庁内に残るシステムは多数あります。ネットワークの帯域やコスト上の制約からクラウドを利用できないシステムもあります。庁内システムのHCIへの統合は、セキュリティ、安定性、コストなどあらゆる面でメリットが大きいと判断しました。現在、基幹系ファイルサーバーや部門系を含め、庁内に残るオンプレミスのシステムはHPE SimpliVityに統合する作業を進めています。私たちの戦略は、ガバメントクラウドとHPE SimpliVityによるハイブリッド環境で、徹底的にコストパフォーマンスを追求するというものです」と新田氏は話す。

 HPE SimpliVityは、複雑なIT環境をコンパクトに統合し、シンプルで扱いやすい仮想化基盤を実現するHCI製品として自治体での導入実績も多い。小松島市へのHPE SimpliVityの導入をトータルに支援したのは日立システムズである。日立グループにおいてデジタルシステム&サービス領域を担う同社から、自治体システムの構築・運用で豊富な経験を持つプロフェッショナルが参画した。

経験豊富な日立システムズが全面的にサポート

 日立システムズは、小松島市の庁内システムを数多く手がけてきた。三層分離モデルの導入とこれに対応する利便性の高いPC環境の実現に加え、認証VLANを実装した庁内ネットワークのモダン化をサポートしたのは2017年、庁内ネットワークの無線LAN環境を整備したのは2020年、HPE SimpliVityを導入したのは2021年である。

 「多数の庁内システムを統合し、システム全体の信頼性・可用性を高め、運用にかかる負荷を低減するには、HCI製品が最適とかねてから考えていました。徳島県主催の勉強会でHPE SimpliVityの検証機を利用できる機会を得て、その優れた重複排除・データ圧縮機能と秒速バックアップ機能が、私たちの課題を解決してくれると確信しました」と新田氏は振り返る。

 小松島市では、およそ1,000アカウントの職員の個人フォルダ(インターネット系・LGWAN系)を、移動ユーザープロファイルとフォルダリダイレクト機能を使って庁内サーバー上で安全かつ統合的に管理している。全職員のデータは数テラバイトに及び、これをバックアップするために必要なストレージ容量の確保、バックアップ時間の延伸が大きな課題になっていたという。

 「HPE SimpliVityによる重複排除・データ圧縮の効果には驚かされました。現在、システム上で管理しているデータの総量は9.6TBなのですが、重複排除・データ圧縮を利用しないと860TBにも達します。実に90%というデータ削減効果を発揮しているのです。私たちはこのメリットを活かして、PCの個人フォルダを含む重要データに対して2時間おき7日分のバックアップを取得しています」(新田氏)

 小松島市では、メールや添付ファイルに対して無害化を含む多階層のマルウェア対策を施しているが、感染のリスクを100%排除できるとは言い切れない。

 「HPE SimpliVityによる『2時間単位でのバックアップ』はランサムウェア対策にも非常に有効です。万一データを暗号化されるような事態に直面しても、より最新に近いクリーンな環境に戻すことができるからです。HPE SimpliVityでは瞬時と言っていいほど高速かつ容易にデータ復旧が可能で、データ保護と業務継続の『最後の砦』としての役割も担っています」(新田氏)

庁内システムの全てをHPE SimpliVityに集約

 採用されたHPE SimpliVity 325 Gen10は、AMD EPYC™プロセッサーを搭載するコストパフォーマンスに優れた1Uモデルだ。小松島市では3ノードを導入し、単一障害点を解消した信頼性・可用性の高い環境で35の庁内システムを稼働させ、さらに残るシステムの統合を進めている。HPE SimpliVityの技術認定資格を有する日立システムズの多田祐希氏は次のように話す。

 「小松島市様ならではの課題に、HPE SimpliVityの重複排除・データ圧縮が最適な解決をもたらすと考えていましたが、実際にバックアップが『秒速』レベルに高速化されるなどその効果は想定以上でした。管理コンソールはvCenterひとつに集約され、物理・仮想環境のヘルス状態やストレージ容量の監視も容易になっています。運用負荷は少なからず軽減されているでしょう」

多田祐希氏
株式会社日立システムズ 産業・流通事業グループ 全国プラットフォーム事業部 西日本サービス本部 第二サービス部 第五グループ

 HPE SimpliVityに統合された、または統合を計画中の主な庁内システムは次の通りだ。

■インターネット系:AD/DC、WSUS、資産管理、デバイス管理、ファイル無害化、マルウェア対策
■LGWAN系:上記に加え、グループウェア、プロキシサーバー、LGWANメール
■基幹系:WSUS、AD/DC(構築中)、ファイルサーバー(構築中)
■その他:無線LAN認証、部門専用システム、新規システムなど

 「マイナンバーや地方税などを扱う基幹系アプリケーションはガバメントクラウドに移行する計画です。一方で、大きなファイルのやりとりや、庁内のActive Directoryとの連携が必要な基幹系ファイルサーバーは、オンプレミスのHPE SimpliVity上で稼働させるのが合理的と判断しました。クラウドと接続するための高額な専用線への投資を回避できることも大きな理由です」と新田氏は話す。

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小規模自治体に最適なハイブリッド環境とは

小松島市にとっては、深刻化する社会課題と向き合っていくためにDXの更なる推進は欠かせない。だが、小規模な自治体では人的なリソースも予算も限られているのが現実だ。

 「だからこそ、小松島市にとって最適なDX推進基盤が必要です。HPE SimpliVityによる全ての庁内システムの統合とモダン化は、DXの推進を下支えする重要な基盤整備です。そして、ガバメントクラウドとHPE SimpliVityによるハイブリッド環境は、コストパフォーマンスを追求した結果のひとつの到達点であると考えています」と新田氏は語る。

 小松島市の庁内ITは、将来的にはHPE SimpliVityという単一システムに統合されることになる。日立システムズの多田氏は、「HPE SimpliVityはシステムの世代交代も容易です。新しいノードを追加してシステムを構成し、古いノードを切り離す手順で更新できますので、従来のようにシステムを再構築して移行するような手間と時間はかかりません」と話す。

 現在小松島市では、災害対策の一環としてバックアップデータをテープメディアで遠隔地保管しているが、HPE SimpliVityを利用してデータ保護の確実性と効率性を大幅に向上させる構想がある。

 「沿岸部と内陸部にあって想定される災害が異なる複数の自治体と、HPE SimpliVityを使った相互リモートバックアップの実証実験を行いました。自治体間で日次のバックアップデータを持ち合うことができれば、被災時の業務継続性の強化に有効な対策となるでしょう」(新田氏)

 小松島市では、「DX推進計画」が掲げられる前から業務改善への取り組みに積極的だった。計画の明文化は、「市民に対する決意表明と、市職員に行動指針を示す意味合いが強かったと思う」と新田氏は話しつつ次のように結んだ。

 「三層分離の仕組みを見直す機運が高まる中、小松島市として『ガバメントクラウドとHPE SimpliVityによるハイブリッド環境』で対応していく、という青写真を描くことができたのは大きな成果であると考えています。DX推進で成果を出すための活動に注力できる環境は整いつつあります。優れた提案力と技術力で、私たちの構想を具現化してくれた日立システムズには大変感謝しています。また、HPEには検証機の貸し出しやHPE SimpliVityの活用のアドバイスなどのサポートをいただきました。両社には、これからも私たちのチャレンジを支えるテクノロジーとサービスを提供してもらえることを期待しています」

 



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