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落語「猫の災難」

2014-04-28 | 落語

 金のない熊さんが隣の家から鯛の頭と尾をもらった。身のない骨の部分にすり鉢を載せると、まるで一匹丸ごとあるように見える。それで満足していると、兄貴分の友人がやってきて、すり鉢をかぶせた鯛を見つける。兄貴は「これを肴(さかな)に酒を飲もう」と言って、酒を買いに行く。

 兄貴が酒を買って来たとき、熊さんは、今さら鯛の身がないとは言えなくて、隣の猫に鯛を持って行かれたと言ってごまかす。兄貴はしかたなく、今度は酒のつまみに魚を買いに行くといって出て行く。

 その間に、熊さんは兄貴が買ってきた酒を少し飲んでみる。おいしかったので少しずつ飲んでいたら、知らぬ間に全部飲んでしまう。そこへ兄貴が魚を買って戻ってきた。

 熊さんは、また隣の猫が来て、酒を一升瓶をひっくり返して全部こぼしてしまったと言い訳する。兄貴が腹を立てて、隣の家へ文句を言いに行こうとすると、隣の家の人が来て、さっきから聞いてたら、「『隣の猫』、『隣の猫』って言ってるけど、家の猫に柔らかい身を食べさせて、あまった頭と尾をおまえさんにあげたんじゃないの。変なこと言ってもらっちゃ困るよ。」

 これを聞いた兄貴、「なんだよ、お前!猫のお余りをもらってたのか。それで、俺に何をさせようってえ魂胆なんだ。」

 「だから、兄貴から猫に詫びを言ってもらいたいなと思ってね。」



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