あべっちの思いをこめた雑記帳

将棋あそび

 正月に久しぶりに将棋を指してみた。
 コロナ禍で時間が取れるようになったということもあるが、正確に申せば、外出の機会が極端に減り、在宅が多くなったというのが理由の多くを占めている。だからほんとうは昨秋あたりからその将棋に対しての時間は多くなってきていたのである。

 もう何十年も将棋にはご無沙汰していたが、その将棋を覚えたのは小学校高学年の時だったと思う。その頃は大人はもちろん、クラスの友だち、近所の遊び仲間もほとんどの男の子は将棋が好きだった。好きだったというのが当たっているのかどうかはわからないが、将棋ができた。できない人は私の記憶にはあまり見当たらない。誰でも遊びの常識くらいに、今思えば感じられる将棋あそび。
 子ども同士の対戦中に通りすがりのおじさんにその技を教わり、名人だなあと思ったことも、今は思い出。その時教えてもらった守り方一つを今でも大切に記憶し、時々使わせていただいているのはありがたい。

 昨今は将棋ブームだとかマスコミ等で騒いでいるが、はたしてそうなのだろうか。将棋のトップクラスの、ほんの一握りのプロや名人たちをマスコミ界が追いまわしているが、実のところは将棋はもうかなり廃れてしまったと私は思う。
 今の小学生や中学生に聞いても、おそらくそのルールを知っていて、将棋好きな子は100人中90人も将棋をできる子がいた昔の時代と比較したら、今できる子は驚くべき少人数に違いないと私は思う。

 コロナで昨秋からまた将棋を始めた私にも、まわりの人で現在それを楽しんでいる人はいない。子どもどころか、同じ年頃の人でさえ、今の時代その将棋を楽しもうとはしない昨今。やればできると思われる人でもそうなのだから、これも時代の流れなのか。

 だからか私がこの正月に楽しんだのは、実は「ひとり将棋」なのである。それはタブレットでコンピューターの相手と楽しむものなのだが、これがなかなか面白い。
 相手の強さを3段階に設定することができ、私は真ん中のレベルで現在は遊んでいる。10中8、9は勝てる ものだから、心のストレス解消にも適切であり、しばらくはまだはまり続けることだろう。

 6歳になる孫が元日から帰省しているが、その将棋ゲームをのぞいて、「やりたい~」と言い、今日はそのコンピューターに挑戦している。
 相手を最弱にしての挑戦ではあるが、最初は負けていたにもかかわらず、やっとまぐれで昨日は勝てた。
 3日の朝も起きるやいなや、「ジイジ将棋やりたい~」とねだってくる。はたして喜んでいいのか。


                   「つれづれ(49)将棋あそび」

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