旅の好きな君へ
君がもし古都を訪ねたいと思うなら
飛騨高山へ行くといい
朝早く宮川沿いに並んだ市を見物しながら
まだ俗化されていない飛騨を知ることができるだろう
君がもし明るい街を望むなら
広島へ行くといい
悲惨な大過から立ち上がり
見事に成長したこの街
二度と繰り返さないためにも
平和記念公園はぜひ見てほしい
君がもし雄大な自然に親しみたいと思うなら
網走へ行くといい
原生花園に散りばめられた花々
ひとり占めにしてしまうのはあまりにも惜しいという気になることだろう
君がもし紺碧の空と海を見つめたいなら
宮崎へ行くといい
都井岬あたりまで下ればもう言葉はいらぬ
フェニックスの木陰で 君は
これからの人生を考えることだろう
(昭和52年発表を転載)
「生命の詩(33)旅の好きな君へ」