田んぼの畦道をそーっと歩く。すると相手もこちらが近づいたのがわかるらしく、すーっと逃げる。その瞬間の泥水が小さな自分の身体を隠してくれる。
ザリガニもドジョウも、田んぼなどに住む生き物はそういうふうにして昔から自分の身を守ってきた。今目の前にいるおたまじゃくしにもそれは同じことがいえる。
夕方近所の子どもたちが網を持っておたまじゃくしを追いかける。元気な子ほどなかなか掬えない。
小さな子がお母さんといっしょに静かに網を出すと、時々ではあるが、まだ幼いおたまじゃくしがその網の中へ掬われていく。
「つれづれ(68)おたまじゃくしはかわいいね」