あべっちの思いをこめた雑記帳

テレビの視聴率とその番組

   

 近所のスーパーに出かけた。もちろん買い物にであるが、もう一つ私の楽しみがある。というよりも役目といったほうがよいのかどうか、最近自分ではそう思う。
 水をいただくことなのだけれど、お茶コーヒー等の飲料用は、長い間ここのスーパーの水に恩恵を受けている。決められた容器に汲みながら、そのわずかな待機時間には、ふといろいろなことを考える。先ほどまで見ていたテレビのワイドショーのことを考えてみた。

 スーパーは売れればいい。
 通販もしかり。売れればいいし、売れなければ困る。それは商売だからだ。物を売る企業なら、そこの従業員を養うためにも、儲けは必須条件である。
 けれど、テレビは違うなと思う。商売というよりはむしろ社会への貢献という大事な使命がある。テレビである以上、ワイドショーもそれは当然のことだし、メディアとは元来そういうものだと思っている。視聴率はスポンサーがいる限り大事なことだが、高率でありさえすれば何でもよいかというとそんなことはない。
 レベルが低く、芸能人の不倫や離婚を詳しく放送して何がいったい得なのだろうか。少し前に世間を騒がせた眞子さまの婚約プロセスなどもあんなふうに掘り下げなくてもよかったなどと今になって思う。

 おそらくテレビ番組を構成するディレクターなどが本筋を考え、出演者やコメンテーターらはそれらに沿って言わなければならないのであろう。それを考えるとやはり最近のテレビは面白くないという声は、それを制作する局側の思いこみや思い違いにあるのだろうと疑わざるをえない。

 インターネットで国民が自由に意見を述べる時代になったのだから、せめてテレビなどの放送はもう少し世の中に貢献意識というものをもって放映してもらいたいと思う。不倫や離婚や結婚などは本人同士の問題なのだから、テレビで深く取り入れるものではないと思う。
 テレビも商売ではあるけれど、新聞と同様、報道という大切な役目を併せ携えていることも心得ていてほしいと切に願う。


   いきなりのテレビの声が静寂を破りて父の高齢を知る
          令和2年8月 「NHK短歌」9月号


           「つれづれ(40)テレビの視聴率とその番組」

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