この夏は暑かった。昨年とは比べものにならないほど猛暑日が続いた。いかに地球温暖化とはいえ、こう暑い日が続くと、夏好きな私でさえ、もういいかげんにしてくれと言いたくなる。
特にこの夏は出かけることが多かった。そのたびにお茶や氷を入れた水筒を持参した。泊まりで出かけた時などは、翌朝には氷は完全に溶け、水筒の中はぬるくなってはいても、やはり飲み物があるということは助かる。
家族が水分補給を心配して、出かけるたびに何かを持たせてくれるのは、考えてみればありがたいことである。
若い頃は水筒などを持って出かけるのは苦手だった。出先でいくらでも水分などは取れる。第一その頃には水分補給などという思いは私の頭の中にはまったくなかった。それがいつの間にかまわりの人や世の中のあちこちで、夏は特に水分の必要性を唱えて、私も知らぬうちにそのような考えがつい最近少しずつ脳裏に染み込んできたような気がする。
中学時代の記憶に、野球の試合をしていた時のこと。役員さんなどは「水はあまり飲まないほうがい。どうせ汗になって出ていっちゃうんだから」と教えられた。私たちはその言葉を信じ、何の疑いもなく、それに従ったものである。今考えるとまことに不思議で、あの時のぶっかき氷水は懐かしさとほろ苦さの思い出として残っている。
たしかその時代は熱中症という言葉はなく、日射病と呼んでいたような気がする。
何はともあれ、こう暑い日が続くと、やはり水分はオタスケマン。そして、日の落ちる頃にビールをキュっと一杯。アルコールは水分補給にはならないとはわかっていても、やはり飲みたいものは飲まないと。
暑い夏を上手に超えていくためにも。
「つれづれ(117)水分補給」