衆議院選挙が終わった。
スタートの時点では野党統一候補による一騎打ちとか、あの話題の候補者はとか、何かと気を引く部分もあったものの、いざ終わってみると結果として番狂わせというか名の知れた大物候補者の小選挙区での敗退が目立った、きわめて予想外の選挙だったような気がする。わりと世代交代を感じたような人も多かったのではないか。そして私もおおいに勉強をさせられた。
私は候補者の選挙演説とは違って、人にまさっていると思う気持を意識して捨てようとしている。けれど、それがやさしいようで、けっこうむずかしい。私などはバカだから、なかなかそういう心になれない。
ここで一発自慢をしたい。そういう心を抑えるのに苦労する。最近ではようやく少しではあるがわかりかけてきたような気がするのだが。
昔の話になるがふとしたことで同僚に「バカだなあ~」と軽い気持で、言ったことがある。相手はそれを真剣に受け取って、私自身がにがい経験をした。
その時くらいからだろうか、自重の念を抱くようになったのは。それまではおそらく私自身気が付かなくもおごる気持が心のどこかに潜んでいたような気がする。
独断と偏見で、他人より優位な点があるなどと無意識のうちにも思いこんでいた自分のバカさをその同僚に教えてもらったような気がする。
一番おろかなことは「人よりまさっている」と思う自分自身の心を持っていることである。
真に賢い人間というのは、やはり他人よりも賢いということを口や態度に出さない人ではないのかとこの年齢になってやっとわかるようになってきた。
ほんとうのことを誇張せず、しかもていねいに相手に伝える。むずかしいことだけれど、それはとても大切なことだと思う。謙虚さはいつの時代にも必要な態度である。それには心を広く持ち、相手を思いやる心がないととうていできないなと思う。
そういう心でこれからも生きていけたらとこの歳になってわかってきた。
「つれづれ(39)優位な気持」