先月、近くの道の駅に行ってみた。わが家から数キロの範囲に道の駅は3つあるが、そのうちの一番小さなところへ行った。
好きな茗荷や揚げせんべいをカゴに入れた。園芸のほうに目をやると、赤いハイビスカスがおいでとばかりに誘っている。
朱色が美しく、どれにしようかなと迷った。真っ赤か、黄か。一鉢だけ花のない、小さな蕾だけのがあったので、それに決めた。何色が咲くか楽しみにして。
そして、昨日花が咲いた。白いハイビスカス。無言で私は首を下にした。正直それはイメージしたハイビスカスとは少々違っていた。お世辞にもきれいとはいえない。
夏から秋にかけてラッパ状の鮮やかな色の花を咲かせるハイビスカス。水と肥料の好きな熱帯花だ。別名を仏桑花(ぶっそうか)という。
中国・インド方面が原産。光沢のあるギザギザの葉と大きな花が特徴。
1613年に島津藩が徳川家康に仏桑花を献上したという記録が残っているらしい。沖縄の南部では死者の幸福を願い、墓地に植える風習があるようだ。またこの花は、ハワイの州花でも知られている。
一般的にはハイビスカスの名の方が有名だが、俳句では仏桑花の方がよく使われる。使い方で句の印象が大きく変わるものだと思った。
激しくて一日紅の仏桑花
文挟夫佐恵
「季節の花(65) ハイビスカス」