昨日レイトショーで観て来た。
何年かに1度、一生に残る一本と言える映画に出逢うが今作はそれ。
<概要>
1962年、東西冷戦下にあるアメリカ合衆国の研究施設で、密かに捕らえられた「不思議な生きもの」と、発話障害を患った女性清掃員が愛を育む恋愛映画。
6歳のときに『大アマゾンの半魚人』を観たギレルモ・デル・トロ監督が、半魚人のギルマンとヒロインが結ばれる話を空想したのが今作の原点となっている。後に『大アマゾン』のリメイク案としてユニバーサルと交渉したが、トロの考えが理解されず却下されている。
結果的にフォックス・サーチライト・ピクチャーズの下で撮ることになったものの、制作費の一部をトロ監督が自己負担したため、スポンサーを気にせず自由に作ることができたという。
また、監督は『美女と野獣』を「結局美男美女の話」と批判した上で、「王子様に変身しない野獣」と「冴えない中年女性」の恋愛にこだわった。
2017年に第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、金獅子賞を受賞。第75回ゴールデングローブ賞では監督賞、作曲賞を受賞。2018年に第90回アカデミー賞作品、監督、美術、作曲の4部門を取得。
R-15指定少々大人向けな美しい映画。
エロい、グロい、ピュア、ヒューマン、ラブストーリー、SF、ホラー、シリアス、サスペンス、ファンタジー、ミュージカル、コメディなシーンもありまさにジャンルレス。
監督のインタビューなどを聞いていると、とても深いテーマがあり、政治的視点もあるが、押しつけがましくなくあくまで観る人にゆだねられている。
アートや音楽、映画が持つ力、それは「境界線を消すこと」だという。(国境、人種、障害、貧困等)
ちなみに日本のアニメや特撮等をリスペクトしている怪獣オタクな監督でもある。
物質的な幸福ではなく、魂の幸福が描かれているところに深く共感した。
半魚人と人間が恋愛なんてありえない・・・と思うところだが観ているうちに半魚人がかっこよく思えてくる。
主人公の女性は声帯に障害を持っており、ふたりはアイコンタクトやジェスチャーで心を通わせていくのだ。
エンディングでじわじわきて泣けた。。。
ボードウォーク・エンパイアに出てるマイケル・シャノンとマイケル・スタルバーグにも注目してたが、ドラマと真逆の二人の位置関係が密かにおもしろかった。
マイケル・シャノンの獅子のような形相すごいし今回は完全な悪役なんだけどこの人が演じるとなんか嫌いになれないw
マイケル・スタルバーグの演技のふり幅にも驚いた。
総じて、素晴らしく心に残る映画だ。