俺と野良猫たちの関係
こんな腐った世の中で
飢えずに暮らしているだけでも
そのありがたさに 罰が当たる
許せ 野良猫たちよ
お前たちと分け合う食事も
だんだん貧しくなる
餌だけ喰って
お前たちは 俺と目を合わそうともしない
近くにも寄せつけもしないし
鳴きもしない
毎月お前の餌代に費やしている金や苦労を
お前たちは知りもしない
お前たちの態度は正しいと思う
お互い情を感じてならない世の中なのだ
そうなのだ
お前たちが死んでも
俺の悲しみは その分軽いと思う
俺が死んでも もしお前たちが悲しんでくれるのなら
お前たちの悲しみは その分軽いと思う
お前たちは利口だ
餌を呉れる人が当てにならぬ事を知っている
餌を呉れる人に先の寿命が無いのを知っている
お前たちの愛情は
毎日欠かさず餌を食べにやってきて
なんら感謝も満足も示さずに
振り返りもせずに どこかに去って行くことだ
俺は お前たちに愛情を持つことを恐れる
たぶんお前たちも 俺に愛情を持つことを恐れている
愛情を持つことは悲しいことだ
慈しみの思いを持つことは 悲しいことだ
お前たちは知っている
俺もお前たちの思いを知っている