山之上もぐらの詩集

2024年01月31日 | 日記

死にぎわののぞみ


せめてもう 罪を犯さずに 死にたいと思う
しかし やがてその死ぬ時に
罪を犯せなかった人生を
きっと悔いるだろうとも 思うのだ

せめてもう よいことは出来なくても
悪いことはせずに 死にたいと思う
しかし やがてその死ぬ時に
悪いことが出来なかった人生を
きっと 死ぬほど悔いるとも 思うのだ

つくづく 人は 危ういところに居るものだ
老人になって やっと そのことに気付く
あっちに転ぶか こっちに転ぶか
その危ういところを 毎日毎日 やり過ごして来た

今あることが とてつもない幸いの
積み重ねだったような 気がする
そして 次の瞬間には 
とんでもない災いが 待っているような気がする

それは 大いに自分の心がけに 関わっている
よいことは出来なくても 
せめて 悪いことをしないで死にたい
しかし 死ぬまで 
悪いことをしないでいられる自信がない 

死ぬ時になって 
その時 神が目の前に顕われ
何か 心残りがあるかと問われ
それを かなえてくれると言ったら

僕は 復讐とあらゆる悪事を
思い浮かべるだろう

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月31日 | 日記

死にぎわののぞみ


せめてもう 罪を犯さずに 死にたいと思う
しかし やがてその死ぬ時に
罪を犯せなかった人生を
きっと悔いるだろうとも 思うのだ

せめてもう よいことは出来なくても
悪いことはせずに 死にたいと思う
しかし やがてその死ぬ時に
悪いことが出来なかった人生を
きっと 死ぬほど悔いるとも 思うのだ

つくづく 人は 危ういところに居るものだ
老人になって やっと そのことに気付く
あっちに転ぶか こっちに転ぶか
その危ういところを 毎日毎日 やり過ごして来た

今あることが とてつもない幸いの
積み重ねだったような 気がする
そして 次の瞬間には 
とんでもない災いが 待っているような気がする

それは 大いに自分の心がけに 関わっている
よいことは出来なくても 
せめて 悪いことをしないで死にたい
しかし 死ぬまで 
悪いことをしないでいられる自信がない 

死ぬ時になって 
その時 神が目の前に顕われ
何か 心残りがあるかと問われ
それを かなえてくれると言ったら

僕は 復讐とあらゆる悪事を
思い浮かべるだろう

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月30日 | 日記

帰らぬ黒ねこ


帰ってこない

どこかで 黒いおまえの骸は
この雨に 打たれているだろうか

おまえは 僕に命をくれたのだろうか
それとも 僕が おまえに言って聞かせたように
僕より 先に逝ったのだろうか

もう一匹の黒ねこも 先は長くない
そして僕も 先は長くない

おまえたちの心配が 無くなれば
思い残すことはないけれど
少しだけ 何か足りない気がするのだ

しかし 少しだけの不足なら
それは 贅沢なのぞみだ

おまえの黒い骸は すぐに土に帰る
もう一匹の黒ねこも もうすぐ おまえの処に行く
そして土に帰る

僕も こんなものだと思って
ありがたく おまえたちの処へ行く

 


山之上もぐらの詩集

2024年01月29日 | 日記

風が吹いて


風が吹いて 薔薇の花びらが
街の上一面に 散りしかれた
風が吹いて 空の真ん中に
ぽっかりと 真っ青な穴が空いた

風が吹いて 薔薇の花びらが
水の上一面に 散りしかれた
風が吹いて 海の真ん中に
まっすぐに 鮮やかな虹が昇った

風が吹いて 薔薇の花びらが
道の上に 散り敷かれた
散りしかれた 花びらを撫でるように
さんさんと 透きとおった光がふりそそぐ


山之上もぐらの詩集

2024年01月28日 | 日記

夕焼け公園


ぶらんこ ゆらゆれて なみだが落ちた
オニさん ただひとり まだかくれんぼ

夕焼け 見上げてる お顔が紅い
ことりたちは ねぐらへ もうかくれんぼ

夕焼け空 あかい 
泣きべそかいたの 誰ぁれ

ぶらんこ ゆらゆれて もう日が暮れた
母さん 呼んでるよ お帰りなさい

いちばんぼし ひとつ お空にきらり
ゆらゆら ゆめのせて ほらお月さま

夕焼け空 あかい 
からすが鳴くから  帰ぇろ