A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

もしあの時オスカーペティフォードの勧めが無かったら・・・

2012-03-23 | PEPPER ADAMS
Stan Kenton and His Orchestra ‘Live’ At The Macumber Club San Francisco 1956 Part2

「もし・・・が無かったら」人生は大きく変わったかもしれない。という人生の大きな分岐点は、誰の人生においても2つや3つはあるだろう。その結果が良い結果になることもあるし、反対に凶と出ることもある。その偶然の積み重ねがまさに人生である。

スタンケントンオーケストラがヨーロッパツアーからニューヨークに戻った時、サックスセクションに2人の欠員ができた。その穴を埋めたのがラッキートンプソン。もう一人がビリールートであった。しかし、ラッキートンプソンが、その後のツアーには参加せず、そしてビリールートは本職はテナーだったので、ケントンはバリトンプレーヤーを探していた。それを知ったオスカーペティフォードがペッパーアダムスにケントンが滞在しているホテルを教えて、アダムスが会いに行ったのが、2人の出会いであった。アダムスはケントンオーケストラをそれまで聴いたことも無かったし、ケントンはもちろんケントンオーケストラのメンバーもアダムスを知る人はいなかった。
たまたま行われていたレコーディングを見学に行って、アダムスはケントンオーケストラに加わることになる。丁度、ケニークラークを中心にデトロイト時代の仲間とのレコーディングを終えた直後の、1956年5月の末のことであった。

さっそく、バンドのツアーバスの乗り込み、長いツアーに出かけることになる。6月7月はいわゆるワンナイトスタンドの毎日のバスの移動であった。半年後、バンドは西海岸にいた。10月に長い休みがあったのを利用して、アダムスは置きっぱなしにしていた自分の車を取りにデトロイトに戻り、再びサンフランシスコに戻った。この時アダムスはウェストコーストを拠点にすることを決心したのかもしれない。ケントンのバンドは11月2日から18日まで、サンフランシスコのMacumba Clubに出演していたが、この仕事が終わった直後の24日にアダムスはメルルイス、リーキャッツマンと一緒にケントンオーケストラを去る。約6ヶ月間のケントンオーケストラへの参加であったが、彼にとっては色々な事が凝縮されて起った半年間であったはずだ。そして、その後のアダムスの人生を決めることになった。

この、アダムスがケントンオーケストラのツアーに参加した最後の仕事であるMacumber Clubのライブの録音が残っているが、それが収められているのがこのアルバムだ。
デトロイト出身、そしてニューヨークで活動していたアダムスが、自分のリーダーアルバムはウェストコーストのModeレーベルから出るに至った経緯に、このケントンオーケストラへの参加がある。
ケントンオーケストラではもちろん当初は新人としての参加であったが、半年後のこのライブでは立派なソロプレーヤーとして成長している。このアルバムの中でも随所にアダムスのソロが聴けるが、中でも“My Funny Valentine”は、ケントンオーケストラがチャーリーパーカーをゲストに迎えた時のビルホルマンの譜面をアダムスのために提供した物。6分を超えるアダムスのソロが聴き所。アダムスファンは一度は聴いてみる価値がある。

もし、オスカーペティフォードがアダムスをケントンに推薦しなかったら、この演奏も存在しないし、メルルイスの出会いも無く、そもそもアダムスの人生は全く違った物になっていただろう。

1. El Congo Valiente (Valiant Congo)              5:30
2. Fuego Cubano (Cuban Fire)                 6:10
3. The Big Chase                Paich 3:20
4. My Funny Valentine             Hart, Rodgers 6:47
5. The Opener                 Holman 5:22
6. I Concentrate on You            Porter 3:37
7. I Remember You               Mercer, Schertzinger 3:09
8. Harlem Nocturne               Hagen 3:29
9. Between the Devil and the Deep Blue Sea   Arlen, Koehler 2:54
10. Swing House                 Mulligan 5:48
11. Love for Sale                Porter 3:21
12. Royal Blue                 Holman 4:16
13. Artistry in Rhythm             Kenton 3:21

Stan Kenton & His Orchestra

Lennie Niehaus (as)
Bill Perkins (ts)
Richie Kamuca (ts)
Pepper Adams (bs)
Phil Gilbert (tp)
Dennis Grillo (tp)
Lee Katzman (tp)
Ed Leddy (tp)
Jim Amlotte (tb)
Kent Larsen (tb)
Archie LeCoque (tb)
Kenny Shroyer (btb)
Irving Rosenthal (fhr)
Joe Marianie (fhr)
Jay McAllister (tuba)
Stan Kenton (p)
Ralph Blaze (g)
Don Bagley (b)
Mel Lewis (ds)

Submarine Producer
Frank Greene Coordination

Recorded live at The Maucumber Club, San Francisco on 17 November 1956

Live at the Macumba Club Part 1
Stan Kenton
Magic Records UK

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