A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

新しいアルバムのウォーミングアップをスウェーデンで・・・

2012-01-31 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Greetings And Salutation / Thad Jones & Mel Lewis and Swedish Radio Jazz Group

サド・メルのオーケストラが3回目の来日をした'75年、サドメルのオーケストラは年が明けるとすぐに3月までの3ヶ月間全米の大学を中心としたツアーに出ていた。
次のツアーのスタートは8月15日のノルウェーであった。メンバーは三々五々ここに集ったが、ペッパーアダムスは13日にミュンヘンでライブのレコーディングを終えて当地に駆けつけた。この間、7月22日にニューヨークで次のA&Mのアルバムのための一回目の録音であった。その間メンバーはそれぞれのスケジュールをこなしていたがペッパーアダムスはドイツに行く前の6月、7月にはニューヨークでガレスピーのビッグバンドに加わってプレーをしていた。

そして、御大サドジョーンズとメルルイスはこの間、ジョンファディスを伴って、スウェーデンに行っていた。そこで6月27日、28日の2日間で録音されたのがこのアルバムである。3人以外のメンバーは地元のSwedish Radio Groupの面々だ。このグループのことは良く知らないが、スウェーデンの腕達者なミュージシャンが揃っていたとのだ。放送局が何らかのスポンサードをしていたグループだろう。このサドジョーンズだけでなく色々なミュージシャンを招いて一緒に演奏をしていた。当時は、テレビ局とかラジオ局が局全体でなくとも番組単位でも何らかの形でオーケストラやビッグバンドを維持していたものだ。日本でも、ナベサダのFM番組マイディアライフでは色々なゲストが参加してその演奏をオンエアしていた。

スウェーデンというとクインシージョーンズの初期のアルバムにもスェーデンで録音されたものがあるが、音楽の新しい試みを受け入れる土壌が昔からあったのかもしれない。
このアルバムのための編成は通常のビッグバンド編成に加えてフレンチホルンを4本、チューバ、ギターを加えているので、バンド全体のサウンドがより豊かになっている。
収録されている曲は、The waltz you swang for youのような初期の作品に加えて新曲が多い。Forever LastingやGreetings and salutationなどは、次のアルバム“New Life”の収められている曲で、まさにこのセッションがリハーサルを兼ねた予行演習ともいえる。
サドジョーンズのアレンジした曲は初見でやるには難しすぎるという話を良く聞く。昔、ベイシーのオーケストラでは難しすぎて採用されなかった曲もあったとも聞く。このアルバムの演奏はリハーサルにどのくらい時間をかけたか分からないが実に良い響きをしている。メンバーがスウェーデンの地元のメンバーということもあるのか、透明感のあるヨーロッパサウンドがジョーンズのアレンジとよくマッチしている。曲によっては本家の演奏よりも良いのではないかと思ってしまうのは自分だけか。

CD盤は、"Thad Jones & Aura Rully"に収められている77年の録音から3曲を追加している。



1. 61st And Rich'it        8:15
2. The Waltz You Swang For Me   7:23
3. Forever Lasting         6:59
4. Love To One           4:19
5. Greetings And Salutations    13:37

Thad Jones – cornet
Jon Faddis – trumpet
Americo Bellotto – trumpet
Bertil Lövgren – trumpet
Jan Allan – trumpet
Torgny Nilsson – trombone
Lars Olofsson – trombone
Bengt Edwardsson – trombone
Sven Larson – trombone
Lennart Åberg – tenor saxophone, soprano saxophone, flute
Claes Rosendahl – alto saxophone, tenor saxophone, flute
Erik Nilsson – baritone saxophone, bass clarinet, flute
Wåge Finer – alto saxophone, tenor saxophone, flute
Rune Falk – tenor saxophone, clarinet
Håkan Nyquist – french horn
Sven Åke Landström – french horn
Kurt Puke – french horn
Bengt Olsson – french horn
Bo Juhlin – tuba
Rune Gustafsson – guitar
Bengt Hallberg – piano, electric piano
Georg Riedel – bass
Stefan Brolund – electric bass
Egil Johansen – drums
Mel Lewis – drums

Produced by Bosse Broberg
Engineer : Berndt Berndtson

Recorded at Studio 4 in the Radio House, Stockholm, 27&28 1975

Greetings & Salutations
Thad Jones & Mel Lewis
Town Crier
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マルチリードプレーヤーもここまでやると器用貧乏を通り越して・・・・

2012-01-30 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Forever Lasting / Scott Robinson

サドジョーンの曲は何故か覚えやすいメローディーが多いのが特徴だ。ビッグバンドで演奏しなくても、小編成でも聴き応えのある演奏になる。したがって、サドジョーンズの曲だけでアルバムが作られることがあるが、以前紹介したトミーフラナガンのアルバムもその一枚だ。

THAD JONESのアルバムを探しいていた時、一枚のアルバムが引っかかった。昔はエサ箱探しであったが、最近は検索の結果やレコメンドで引っかかることが多いがこれも時代の流れかも。ジャケットにはサドジョーンズの古い写真に、このアルバムのリーダーであるスコットロビンソンがコルネットの吹いている写真が。サドジョーンズの曲のアルバムであればまあいいかといった軽いノリで入手した次第。
アルバムが届いて裏を見ると、このロビンソンがコルネットを吹いているのは一曲のみ。何となく騙された気分になった時に、このロビンソンなる人物を思い出した。TOSHIKOのオーケストラの最後の頃のメンバーでサックスが専門であることを。マリアシュナイダーのオーケストラにも参加していた。

であれば合点がいく。このアルバムにはロビンソンが操るあらゆる木管楽器が登場する。(詳しくはクレジットを参照)。サックスもソプラノ、テナーからバスサックスやコントラバスサックスまで登場する。このロビンソンのコントラバスサックスに関してはCNNのニュースにもなっていたが、究極のマルチリード奏者といえるかしれない。



そんなロビンソンの楽器オタクの際物アルバムかと思ってCDをかけると、中身は実にいい感じだ。曲によってはピアノトリオをバックにするのではなく、ハモンドオルガンをバックにした演奏もある。また、2つの楽器を駆使したマルチ録音もあり、ジョーンズの曲のメロディーを実に上手く楽器を替えて表現している。アドリブもしかり。衝動買いをして中身をじっくり聴くまでの間に何度か一喜一憂したが、決してゲテ物では無くジョーンズの曲を気軽に聴けるアルバムで、結果は愛聴盤の一枚になった。
実力派のマルチプレーヤーもここまでやると器用貧乏を通り越して、ゲテ物好きのオタクにみられてしまうのでかえって損をしているのかもしれない。

1. Quietude       Jones 5:53
2. To You        Jones 4:13
3. Interloper      Jones 5:50
4. Don't Ever Leave Me  Jones 3:49
5. Three and One     Jones 5:47
6. Yours and Mine    Jones 3:31
7. Fingers        Jones 3:57
8. All My Yesterdays   Jones 4:27
9. TNA Blues       Jones 4:37
10. A Child Is Born Jones 4:14
11. Walkin' About Jones 7:17
12. Kids Are Pretty People   Jones 5:28
13. The Summary      Jones 3:53
14. Greetings and Salutations Jones 5:44

Scott Robinson
        Tenor Sax,Bass Sax,C-melody Sax,F-Mezzo sprano Sax,
        Contrabass Surrusophone,C-Flute,E♭Soprano flute,
        Theremin,Alt Clarinet,French Horn,Echo Cornet,Flugelhorn,Bells

Mike LeDonne Organ, Organ (Hammond)
Richard Wyands Piano
Hank Jones Piano
Pat O'Leary Bass
Klaus Suonsaari Drums
Dennis Mackrel Drums

Thad Jones Composer

Produced by Scott Robinson
Executive Producer for Arbors Records Inc. Mat & Rachel Domber
Jim Czak Engineer, Mastering, Mixing
Jim Anderson Engineer
Jay Newland Engineer

Recorded on Aug. 16&17, 2002 at Nola Studios,NYC (1,3,4,6,7,10,11,12,14)
       Sep. 17, 1992 at RCA studios,NYC (2,5,9)
       Oct. 27, 2005 at nola studios,NYC (8)
       Mar. 11, 2005 at Nola studios ,NYC (13)



Scott Robinson Plays the Compositions of Thad Jones: Forever Lasting - Great American Composers Series vol.3(Arbors)[Import]
Scott Ribinson
Arbors Records
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ピアノの引越しには技とチームワークが大事・・・

2012-01-29 | CONCORD
Piano Mover / Dave Mckenna and The Dick Johnson reed section

昔は、引越しの荷造りが一苦労だった。特に壊れ物などは素人がやるとなかなかパッキング一つでも手間がかかって難しい。最近が専門業者のフルサービスがあるので楽になったものだ。引越しは大変だけれども、たまにやった方が荷物の整理になるのがメリットだ。最近引越しが無いので、だんだんゴミの山が室内を占領し始めている。そろそろ大整理をしなければ。昔から素人が出来ないのがピアノの引越し。デリケートな楽器であり、重さも半端ではない。梱包や移動に技も必要だし細かな気配りが大事だ。こればかりは経験のある専門業者に任せないと酷い目にあること必至だ。一人での作業は絶対無理で、メンバーのチームワークと阿吽の呼吸の作業が大事だ。
PIANO MOVERと荷台に書かれたトラックをビジュアルのメインに据えた、CONCORDにしては洒落たジャケットのデザインがまずは印象的だ。マッケンナ率いる引越しチームが呼吸を合わせてどのような技を見せてくれるかのお楽しみ。

マッケンナもテイラーに負けず劣らず器用なオールマイティーなピアニストだが、左手の魔術は負けないであろう。この左手のお陰で、ラグタイムなどの古いスタイルのプレーも得意で、古いタイプのピアニストの真似も得意としている。このアルバムでも一曲目からナットキングコールのノリを聴かせてくれる。ただ、これもビリーテイラー同様あまり度が過ぎるとどれが本当の自分のスタイルかが分からなくなりがちになってしまうのだが。

これは、ディックジョンソンにも言えること。ジャケットのイラストにReed Sectionと書かれているように、リード楽器を何でもこなすオールマティーなプレーヤーは器用貧乏になりやすい。この2人の共演なので組み合わせ次第で何でもありになってしまうのがメリットでもありデメリットにも。このアルバムでは、曲に合わせてそれぞれの持ち味をお互いに出し合って、実にいいコンビネーションを披露してくれている。

この2人は、ウディーハーマンPresentsのConcord Jazz Festivalのジャムセッションにも参加していたが、当時のコンコルドの看板スターで他にも色々なアルバムに登場している。しかし、このメンバーのカルテットとなると、ディックジョンソンのリーダーアルバムが同じメンバーだった。この前はマッケンナの「リズムセクション」でジョンソンをサポートしたが、今度はジョンソンが「リードセクション」でマッケンナをリーダーとしたお返しセッションともいえる。

マッケンナの選曲も、スタンダード中心だがエリントンナンバーやクレアフィッシャーの曲などを入れて多少変化をつけている。曲想に合わせてディックジョンソンも得意のクライネットだけでなく、パーカースタイルのアルトサックスやフルートも登場させてマルチプレーヤの本領発揮だ。流石「ピアノ引越」の専門チーム、リーダーのチョットした変化技にチームプレーで見事に対応している。唯のアルバイトではなく専門スタッフの面々だから出来たのであろう。



1. Nobody Else But Me
2. Cottontail
3. Your Eyes Dance With Love
4. Star Eyes
5. MorningA Spider Sat Down Beside Her
6. In Love In Vain
7. I Concentrate On You

Dave Mckenna (p)
Dick Johnson (cl,as,fl)
Bob Maize (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, Calfornia, April 1980

Originally released on Concord CJ-146
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バリトンバトルも珍しいが・・・アダムにとってはソリストとしての再出発記念

2012-01-28 | PEPPER ADAMS
Baritone Madness / Pepper Adams & Nick Brignola


ペッパーアダムスがサドメルに加わって12年目の1977年にも彼はまだサドメルのオーケストラでツアーを続けていた。その頃はツアーも長期化し前年の76年には6月から10月まで4ヶ月に渡ってヨーロッパを旅していた。この77年も6月8日にメンバーと一緒にニューヨークを離れ一路イタリアへ旅立った。この年も長いヨーロッパツアーだった。そして8月24日、前日スウェーデンでの演奏を終えた翌日、ソロプレーヤーとして活動していくことを決心し、2人のリーダーに辞表を出してバンドを去った。サドジョーンズがバンドを去る一年前のことだった。

一旦西海岸でクラブ出演仕事をした後、ペッパーは10月8日単身でまたヨーロッパに渡る。長年のツアーで居心地が良かったのかもしれない。そして帰国後一つ仕事をこなして、久々にニューヨークの自宅に戻ってきたのは暮も押し迫った12月19日のことだった。
そして、3日後このアルバムはニューヨークで録音された。
9月にソリスト独立宣言をしてから、多分メインプレーヤーとしてはじめてのスタジオレコーディングだ。まだ自分のグループを編成する余裕もなかったのであろう、同じバリトンのニック・ブリグノラとのバリトン対決であった。セッションは1日限り。凝ったアレンジがあるわけではなく、レコーディング自体がジャムセッションの様相を呈していた。曲もお馴染みのパーカーの曲が多い。

このアルバムを出したBee Hiveというレーベルは50年代ビバップ全盛期にシカゴにあったクラブの名前が由来。Bebopの復活を掲げて設立され、奇しくもこのアルバムが初リリースアルバムだった。ソリストとして独立宣言したペッパーにとってはお誂え向きのレーベルだし、レーベルにとってもペッパーの参加は大歓迎だったろう。共演のメンバーも思う存分ブローするには言うことなしの兵揃い。元々ペッパーは白人ながらデトロイト出身で黒人グループと付き合って来た経緯もあり、ハードバップの再来祈願に自らの再スタートもからめたのかもしれない。

バリトンサックスのバトルというのも、他の楽器に較べるとそうそう機会があるものではないので貴重だ。ゴリゴリ好きのバリトンファンにはたまらない一枚だと思う。さらにペッパーの独立記念となると。この年から亡くなる86年までが、ペッパーがサドメルを卒業して本格的にソリストとして活躍した期間だ。

1. Donna Lee
2. Billie’s Bounce
3. Marmeduke
4. Body and Soul
5. Alone Together

Pepper Adams Baritone Sax
Nick Brignola Baritone Sax
Ted Curson Flugelhorn, Trumpet
Derek Smith Pian
Dave Holland Bass
Roy Haynes Drums

Production Neumann / Hechtman
Recorded on December 22, 1977 at Blue Rock Studio, N.Y.C


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器用貧乏という言葉は良く聞くが・・・・

2012-01-26 | CONCORD
Where’ve You Been? / Billy Tailor Quartet Featuring Joe Kennedy

実際には、オールマイティーに何でもこなせる人というのは一番才能があるような気がする。現実には何かひとつの秀でていた方が目立つし、結果としても人気が出やすい。ジャズの世界も全く同じで、マイルスにしてもコルトレーンにしても、最初は色々やっても最後は一つの自分の世界を作っていった人が巨人として歴史に残っている。特に、日本では、何も巨人でなくとも何か一筋でやっていた人間に人気が集るようだ。その結果、アメリカでは人気があっても日本ではあまり評判にはならないプレーヤーがたくさんいる。

ピアノのビリーテイラーもその一人であろう。マニアックな愛好家には人気があっても、必ずしも一般受けしているピアニストとは言えない。特にテイラーの場合は、ピアニストとしての活躍に加えて、作曲、教育や放送での活躍が大きく、レナードフェザーは「ビリーテイラーはジャズのための世界有数のスポークスマンであることはほぼ疑う余地のない」とも語っている。

例えば、1958年、”The Subject of Jazz”というタイトルで、教育番組でジャズの歴史を紹介する番組の音楽監督を務め、若くしてすでにどんなスタイルもこなしている。





かと思えば、有名ピアニストを順番に招いて共演している映像も残されている。



このような演奏を聴くと、話だけではなく実際に彼のオールマイティーぶりがよく分かる。

さて、このアルバムはConcordに登場したTaylorの初アルバム。Concordレーベルの特徴はあまり飾りっけのない企画でミュージシャンの素顔を出すことを売りにしていた。テイラーが今回の共演者ジョーケネディーを紹介したのは、プロデューサーのカールジェファーソンの注文に、彼が多彩な才能を持っているのを知ってか、「何か変った事ができない?」という一言があったからだ。

そもそものきっかけは、このアルバムが録音された1980年、テイラーはバージニア州のリッチモンドに地元のリッチモンドシンフォニーとの共演に訪れたが、その時そのオーケストラの音楽監督をしていたのがジョーケネディーであった。その時はテイラーが書いた“Suite for Jazz Piano and Orchestra” の公演のためであったが、意気投合した2人はいつか一緒にやろうとう話になった。というのも、ケネディーが実はアーマッドジャマルともグループを組んだジャズバイオリンの一人者であったからだ。この手の話は、大体お互いリップサービスで、本当に実現することは少ないのが常だが今回は違った。ジェファーソンの申し出に、テイラーがこのケネディーとの共演を提案してとんとん拍子でこのアルバムが決まったという経緯だった。

という訳で、ここでの2人は普段の仕事を忘れて2人の真剣勝負。この類の顔合わせセッションだと曲はよくスタンダード曲が選ばれるが、このアルバムはすべてテイラーのオリジナル曲が提供されている。それだけでのこのアルバムへの気合の入れ方が分かる。
演奏も、いつもは軽いタッチの印象があるテイラーのピアノも迫力が増している。一方のケネディーも他の演奏は聴いたことがないが、グラッペリの演奏などに較べるとモダンなタッチのバイオリンだ。
いつもは色々お化粧をして登場している2人のスッピンでの勝負はいかにもConcordらしいアルバム作りになっている。活躍の場が広い2人なので、このようなアルバムは他の作品(活動)の影に隠れてしまうが、器用貧乏な人が損するということはこういうことだろう。

1. Where've You Been       Taylor 6:01
2. Night Coming Tenderly     Taylor 5:22
3. Ray's Tune             Taylor 3:14
4. Antoinette             Taylor 6:57
5. I'm in Love With You       Taylor 4:26
6. All Alone              Taylor 5:38
7. I Think of You           Taylor 5:02
8. Capricious             Taylor 3:29

Joe Kennedy, Jr. (violin)
Billy Taylor (p)
Keith Copeland (ds)
Victor Gaskin (b)

Carl Jefferson Producer
Phil Edwards Engineer, Remixing

Recorded at Soundmixers, New York City, December 1980
Originally released on Concord CJ-145


Where've You Been
Billy Taylor
Concord Records
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ベースのソロを味わうのはやはりデュオが一番・・・・

2012-01-25 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
As One / Richard Davis

サドメルの初代ベースはリチャードデイビス。最初のアルバムから参加していて、あの68年の初来日時もメンバーの一人として来日した。メンバー全員がニューヨークでは忙しいスタジオワークをこなしていた。中でもデイビスは当時売れっ子のベーシスト。日本でのブッキングがうまく行われていないと分かると、一人でさっさと帰国してしまって後は稲葉国光が代役を務めた。したがって、デイビスのプレーを実際に目の前で見、そして聴けたのはピットインに駆けつけたほんの200人程度だった。サドジョーンズ特有の複雑なリズム&テンポ、そしてアンサンブルワークの中でのプレーだけでなく、ソロのバックに廻った時、さらには自分自身のベースソロになった時のプレーはまさに神業に近いものであった。

デイビスは、昔からサラボーンのバックをやっていたり、エリックドルフィーのグループに参加したり幅広く活動していた。スタジオミュージシャンとして参加したセッションのアルバムまで入れると星の数ほどあるが、デイビスのリーダーアルバムとなるとそれほど数が多いわけではない。さらにデイビスのソロがたっぷり聴けるアルバムとなると“Heavy Sounds”もあるが、他にはすぐには思い浮かばない。もっとも晩年のアルバムを聴いていないが。

地元ニューヨークで相変わらず忙しい合間を縫って、このアルバムで共演している女性のピアニスト、ジル・マクマナスと“The Fugue”というクラブに日曜日の夜に出演していた。このフーガという小さな寛いだ暖かい雰囲気をデイビスが気に入ったそうだ。そして、スタジオ録音を考えていたデイビスが、このクラブでの録音を最終的に決め、10月の日曜日2週に渡って、このフーガに録音機材が持ち込まれてこのアルバムが生まれた。丁度古巣のサドメルオーケストラが3度目の来日をしていた時だった。

演奏はピアノとベースだけのデュオ。ドラムレスの演奏はベースの動きが手にとるように聞こえる。マクマナスのピアノもあまり派手に動き回ることなくこの雰囲気にピッタリな演奏だ。デイビスのデュオの演奏というのは、アルバムの中の一部を別にすれば、全編デュオというアルバムは多分無かったであろう。デイビスが気に入ったと言っている聴衆との間の和んだ感じは録音からも感じられる。聴衆の一人に加わってクラブの雰囲気を味わいながらデイビスのベースを楽しむにはこのアルバムはお勧めだ。

1. Blue Bossa
2. All Blues
3. Blue Monk
4. Speak Low
5. Fugue In

Richard Davis (b)
Jill McManus (p)

Produced by Elliot Meadow
Recording Engineer : Malcom Addey
Recorded at The Fugue, New York on October 19, 26, 1975

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新しいビッグバンドが次々生まれても・・・・王座はやはりエリントン

2012-01-24 | MY FAVORITE ALBUM
The Popular / Duke Ellington Orchestra

1966年、サドメルを始めてとして新しくビッグバンドがいくつか生まれても、ジャズ雑誌の人気投票ではまだデュークエリントンオーケストラの王座の地位は揺るがないものであった。ELLINGTON’66とタイトルされたビートルズナンバーなどのPOPSのヒット曲集を出したかと思えば、バージンアイランドのコンサートでは意欲的にオリジナル曲にも挑戦することもあった。そのエリントンが2回目の来日したのは'66年の5月13日。その直前にエリントンオーケストラはロスアンジェルスに立ち寄り、そこで録音したのがこのアルバムだった。

音楽を聴くためのメディアの変化は時代と共に劇的に変化している。まずはSPレコードからLPレコードへの転換、劇的に音質がよくなり長時間の演奏を可能にした。40年後半から50年代にかけてジャズの世界が大きくモダンジャズへ発展した記録が今でも聴けるのは、テープレコーダーとこのLPのお陰だ。そのLPレコードも58年にはステレオが登場し、60年代に入るとモノラル盤に代わって主流になった。そして80年代以降はCDの時代へ。今ではついに、ダウンロードの時代になってメディア自体が存在しなくなってしまった。エリントンオーケストラは、まさにこのメディアの変遷の歴史に合わせて、各時代のエリントンナンバーを記録し続けている。

フランクフォスターが来日して自分がリーダーとなるアルバムを制作することが決まった時、そのアルバムのために「日本組曲」のスコアを書いた。エリントンが来日前に録音したのは残念ながら日本組曲ではなく、十八番のエリントンナンバーだった。ただし、ステレオ時代に入ってからは初めて録音されたエリントンナンバーの名曲集であった。確かに、A列車から始まるお馴染みの曲は実に良い音で録音されている。各楽器の分解能がいいせいか、エリントンオーケストラの独特のハモリがよく分かる。特に低音の音域で。サックスセクションはハーリーカーネイのバリトンがサックスセクション全体をリードすることが多いことを再認識した。
有名バンドの長年慣れ親しんだ有名な曲だと同じアレンジの譜面を後生大事に使いがちだが、エリントンの場合はソロも含めて時代によって微妙に違えている。そして、このアルバムの特徴はエリントンのピアノがいつもよりも多く登場することだろう。

ビッグバンドの時代の流れの中で何となくこの’66年頃が時代の節目のような気がするが、エリントンは新たな試みではなく、自分達の実力をアピールするために、持ち歌でもう一度直球勝負に出たような気がする。66年の来日時のコンサートに関する日本のバンドリーダーや評論家達のアンケートが当時のスイングジャーナルに載っていた。二度目の来日ということもあり、エリントンオーケストラの良さは認めるものの、何か物足りなさがコンサートでの選曲にあるような意見が多かった。日本のファンは日本のステージで「日本組曲」を期待していたのかもしれない。

自分が持っているのは、当時の国内盤でこの頃多かったオリジナルとは異なったデザインのペラジャケ。味も素っ気もないが、自分にとってはジャズのレコードを買い出した頃の思い出のアルバム。久々に聴きながら高校生だった当時の事を思い出した。




1. Take the "A" Train          Strayhorn 4:42
2. I Got It Bad (And That Ain'tGood)   Ellington, Webster 2:39
3. Perdido                Drake, Lengsfelder, Tizol 3:17
4. Mood Indigo              Bigard, Ellington, Mills 5:12
5. Black and Tan Fantasy         Ellington, Miley 5:14
6. The Twitch               Ellington 3:14
7. Solitude                DeLange, Ellington, Mills 3:39
8. Do Nothin' Till You Hear from Me    Ellington, Russell 1:55
9. The Mooche               Ellington, Mills 5:39
10. Sophisticated Lady          Ellington, Mills, Parish 3:04
11. Creole Love Call           Ellington 3:57

Cootie Williams    Trumpet
Mercer Ellington   Trumpet
Cat Anderson     Trumpet 
Hebie Jones      Trumpet   
Lawrence Brown    Trombone
Buster Cooper     Trombone
Chuck Connors     Bass Trombone
Paul Gonsalves     Reeds
Jimmy Hamilton    Reeds
Johnny Hodges     Reeds
Russell Procope     Reeds
Harry Carney      Reeds
Duke Ellington     Piano
John Lamb       Bass
Sam Woodyard     Drums

Brad McCuen    Producer
David Hassinger    Engineer

Recorded on May 9,10,11 1966 at RCA Studio in Los Angels, Calfornia



Popular
Duke Ellington
RCA Victor Europe
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立ち上げから3年・・・・・・・満を持して故国に凱旋

2012-01-23 | MY FAVORITE ALBUM
Road Time / Toshiko-Tabakin Big Band

サドメルが3度目の来日を果たし、フランクフォスターオーケストラの置き土産を残して帰国してまもなくして、年が明けた1月に引続き大物ビッグバンドが来日した。TOSHIKO-TABAKIN のビッグバンドだ。
74年に初めてのアルバムを出し西海岸でセンセーショナルにスタートしたが、短期間に3枚のアルバムを制作し、75年にはモンタレージャズフェスティバルにも参加するなど確実に活躍の場を固めていた。そして、その中でこの76年の日本ツアーは早い時点でプランされた。サドメルのあまりに突然の訪問と異なり、来る方も待つ方も十分にその日のための期待が高まった中での来日であった。

この来日時の演奏が2枚組みのアルバムで残されている。タイトルは”Road Time”。いわゆる地元を離れてのどさ回りだか、このツアーはTOSHIKOにとっては故郷への凱旋。単なるツアーとは全く位置づけが違ったであろう。もちろんメンバーもその意味を充分に理解してのツアーであったと思う。

すでに3枚のアルバムが出ていたが、それらに収められているのはすべて彼女のオリジナル曲、そしてオリジナルアレンジだ。まさに作品集といった趣である。会場は中野サンプラザホールを始めとして各地の大ホール。当時は多くのライブがこのような大ホールを満員にしていたものだ。コンサートではそれらの曲が順次演奏されるが、まさいライブというよりも、コンサートという表現の方が適切であろう。演奏の完成度も高く、初期のTOSHIKOのビッグンバンドの集大成といってもいい演奏だ。

オープニングから、いきなりメンバー紹介が始まる。これも珍しい。そしてチューニングを兼ねてそのまま曲がスタートする。彼女の曲は日本の伝統や文化とアメリカの文化であったジャズをうまくミックスした点にある。もちろん曲によってその度合いや色合いが異なるのがまた魅了の一つであろう。
最後の曲は、このツアーのために作った曲“Road Time Shuffle”、その名の通りシャッフルのリズムに乗った実にスインギーな演奏で幕を閉じる。

メンバーは、バリトンサックスのビルパーキンストロンボーンのビルウッドマン以外は、レギュラーメンバーである当時の西海岸の中堅、若手のベストメンバーがそのまま来日している。ウッドマンに代わって、かってサドメルのメンバーであったジミーネッパーが急遽ニューヨークから参加したというのも何か因縁めいている。

このアルバムが出た時点で、TOSHIKOのビッグバンドのアルバムを先行して出していたのは日本のRVCで日本ではどのアルバムもよく売れていた。アメリカではまだ1枚だけが世に出ただけでまだ全国区の人気というものではなかった。ヨーロッパでもこれからという状況であった。日本の優れたプレーヤーがアメリカのミュージシャンを集め、日本のレコード会社が世界に通用するアルバムを作っていた時代だ。経済的にもこの時期からバブルにかけて日本の絶頂期であったが、音楽、レコード作りも同様であったのかもしれない。



1. Tuning Up
2. Warning Success May Be Hazrdous To Your Health
3. Henpecked Man
4. Soliloquy
5. Kogun
6. Since Perry / Yet Another Tear
7. Road Time Shuffle

Steven Huffstetter (tp)
Bobby Shew (tp)
Richard Coooper (tp)
Mike Price (tp)
Bill Reichenback (tb)
Jim Sawyer (tb)
Phil Teele (btb)
Dick Spencer (as)
Gary Foster (as)
Lew Tabakin (ts,fl)
Tom Peterson (ts)
Bill Byrn (bs)
Toshiko Akiyoshi (p)
Don Baldwin (b)
Ptyer Donald (ds)

Kisaku Katada (Kotuzumi)
Yutaka Tazaki (Ohtuzumi)

Produced by Hiroshi Isaka
Recoding Engineer Eiji Uchinuma

Recorded live in Japan
January 30, 1976 at Nakano Sun PrazzaHall Tokyo
Feburuary 7, 1976 at Kosei Nenkin Kaikan, Osaka
Feburuary 8, 1976 at Sankei Hall, Osaka

ロード・タイム(紙ジャケット仕様)
Toshiko Akiyoshi
BMG JAPAN
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中身は同じでも・・・看板を架け替えると

2012-01-22 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Giant Steps / Frank Foster and his Orchestra

最近はスーパーのプライベートブランド商品が増えている。陳列棚を見ても目に付く所にあるのはPB商品でメーカー商品はだんだん肩身が狭くなっている。高い宣伝費も掛けられず。大手の流通経路も絞られるとなるとメーカーのブランド商品を存続させるためにはますますハードルが高くなっている。メーカーは反対に作り手に徹してOEM商品を一手に作るという戦略もある。どの道を選ぶかは各社の経営判断だが、自社で製販一体の体制を維持できた時代が懐かしい。

ビッグバンドの世界も同じのような気がする。固定的なメンバーでレギュラーバンドを編成し、自由に曲作りや編曲を依頼して、レコード制作やコンサート、さらにはテレビや歌伴の仕事を毎日のように行えた時代は昔の話。今では単発の仕事に合わせてメンバーが集るだけのリハーサルオーケストラの形態になっている。ミュージシャンもいくつかのバンドを掛け持ちで演奏する。リーダーが替わっても中身は大体同じというということになる。また、昔はツアーに行った先でレギュラーグループを離れて別のセッションが行われたり、レコーディングの時、契約の問題で同じような編成でもリーダーが替わるということも良くあった。

68年に初来日したサドメルのオーケストラが、次に日本を訪れたのはそれから6年後。1974年のことだった。バンド自体はアメリカのみならずヨーロッパを含めて広く世界で有名になっていたが、その間日本への来日が途絶えたのも最初のトラブルが何らかの影響をしたのであろう。
‘74年の来日はメンバーこそ初来日時とは大幅に入れ替わっていたものの、相変わらず素晴らしい演奏を披露してくれた。そして、置き土産として日本でのコンサードライブのレコード”LIVE IN TOKYO“や、滞在中ローランドハナのアルバムも制作された。

それで安心したのか、翌’75年にも3度目の来日をした。74年のライブアルバムを作った日本コロンビアは2匹目のドジョウを狙って、再度アルバム制作を企画したが、その時は新たなA&Mとの契約が先行して残念ながら実現できなかった。しかし、スタッフはそこで諦めずにウルトラC技を使った。サドメルのオーケストラが駄目なら、他のメンバーをリーダーに仕立てて別のオーケストラにしてしまうことだった。もちろんメンバーはリーダーを含めて全員同じメンバーで。

白羽の矢が立ったのは、メンバーの一人テナーのフランクフォスターだった。ベイシーオーケストラに長く参加し、アレンジも提供してきたフォスターなので実現するのにはそれほど問題はなかった。メンバーの同意も得られて晴れで出来上がったのがこのアルバム。
公演の合間を縫って日本で録音されたアルバムだ。アレンジはもちろんフォスターが担当、サドジョーンズは表にでずにトランペットセクションの一プレーヤーに徹し、途中のソロでも登場しない。メンバーを見渡すと、8月にドイツにいたペッパーアダムスも元気にこのツアーに参加している。最初のメンバーは、リーダー2人を除くとあとジェリーダジオンだけになっていた。そして、VJOのリーダー、トロンボーンのジョンモスカはこの時からの参加だ。

フォスターのアレンジもお手軽に済ませたというのではなく、名曲”GIANT STEPS”を手始めにアレンジし、後は自分の曲を入念に。B面では2部構成で日本組曲という大作を書き上げて準備を進めた。
そして、出来上がったのがこのアルバム。バンド自体はサドメルオーケストラそのものだが、まさに看板をフランクフォスターに架け替えた「OEM」バンドに変身した。
ジミースミスのアルバムでサドメルは隠れバックをしたことがあったが、世に出ているアルバムも丹念に探すとこのようなアルバムがまだあるもしれない。

それにしても、当時は日本のレコード会社にこのようなアルバムを作り上げてしまうパワーがあった。それがミュージシャンをまた進化させていったような気がする。今は、レコード会社にそのような力は無いし、それを実現できるプロデューサーも居ない。結局、ミュージシャンの自費出版のようなアルバムしか出てこないのは寂しい限りだ。

1. Giant Steps
2. Now That She’s Away
3. Cecilia Is Love
4. Japan Suite
   Ⅰ.Shitsu-mon
   .Tan-kyu

Frank Foster (ts)
Al Porcino (tp)
Cecil Brigewater (tp)
Sinclair Acey (tp)
Wamon Reed (tp)
Thad Jones (flh)
Billy Campbell (tb)
Earl Mcintyre (tb)
John Mosca (tb)
Janice Robinson (tb)
Jerry Dogion (as,fl)
Ed Xiques (as,fl)
Greg Herbert (ts,a-fl)
Pepper Adams (bs)
Walter Norris (p)
George Mraz (b)
Mel Lewis (ds)

Arranged by Frank Foster
Produced by Takao Ishizuka
Recording Engineer Toji Sekiguchi

Recorded at Mouri Studio,Tokyo on Nov.13&15,1975



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このアルバムを聴くと・・・サドメルの最初の来日を思い出す。

2012-01-21 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Monday Night / Thad Jones & Mel Lewis Jazz Orchestra




サドメルのアルバムの棚卸し紹介も大方終わっていると思ったら、このアルバムの記事が見当たらない。自分にとっては一番思い入れのアルバムだっただけに最初に書いたような記憶があったのだが。

サドメルの本拠地ビレッジバンガードのライブの3枚目(ソリッドステートからは2枚目)のアルバムだが、このアルバムが録音された年、1968年の夏にサドメルは最初の来日を果たしている。このブログでも何度か書いたように、この最初の来日は公演予定が全く決まっていなかったなか、レギュラーメンバー17人が全員揃って家族共々来日してしまったという状況であった。クインシージョーンズのオーケストラがヨーロッパに渡ってから仕事がキャンセルになってしまい、メンバー全員でヨーロッパを渡り歩いたという事件があったが、そのミニ版のような話だ。ジェロームリチャードソンはその当事者、またかと思ったに違いない。

幸いにも自分もそこに居合わせることができたピットインでのライブ自体の感動はまだ鮮明に覚えているが、年と共に周辺情報は大分忘却の彼方に消え去っていた。先日古いスイングジャーナルが出てきたので、早速記事を探すと1968年9月号にその経緯と記事が載っていた。記事を読みながら当時の記憶が鮮明になってきた。

その日、自分は午後渋谷のヤマハに行っていた。多分13日の土曜だったと思う。店内でジャズの無料のミニライブをやっていたので、それを聴くのが目的であった。当時は浪人生活をおくっていたが、高校の時よりはるかに街へでかける機会が増えていた。ジャズ喫茶にも入り浸っていたが、このヤマハのライブは生の演奏を聴けるのが楽しみでよく仲間とつるんで行ったものだ。その日の出演者は覚えていないが、前田憲男や猪俣猛の演奏を生で初めて聴いたのはそのヤマハのライブだった。

その日もライブに行くと、「サドジョーン&メルルイスオーケストラ」が来日して、今晩新宿ピットインでライブがあるとの張り紙があった。半信半疑でその夜ピットインに行くと、確かに入口に「本日特別公演 サドジョーンズ・メルルイスオーケストラ」の張り紙が。
伊勢丹会館の裏にあった、間口の狭い100人も入れない狭い店内。店の奥に背広姿でメンバーが席につく。夏の熱い夜に、客もギッシリ入ると会場は演奏前から熱気が満ち溢れていた。
そして演奏が始まる。雰囲気はこのアルバムのビレッジバンガードとまったく同じ、いやそれ以上であった。

この時のサドメルの演奏に関してのスイングジャーナルに載っている評論家の油井正一氏の記事を紹介しておこう。

以下、転載始め・・

演奏会評 油井正一
サド・ジョーンズ=メル・ルイスのザ・ジャズ・オーケストラ

別項「来日公演の舞台裏」で報道した通りサド・ジョーンズ-メル。ルイス楽団は拙劣なマネージメントにために、ほんの一握りのファンに大感激を与えただけで世にも哀れな日程を終えた。
 こういう演奏会評を来日の事実すら知らなかった多くの方に読んでいただくのには、釣りのがした魚の大きさを誇示するようで気がひけるが、聴けた人(のべ約2,000人あまり)は皆手放しで絶賛している。それはこのバンドが他のビッグバンドにみられないいくつかの特色をもっているためである。以下箇条書にして説明してみよう。

1. ●白人黒人オール・スターズによる混合編成。
メンバー (省略)
こうしたインテグレーテッド(混成)バンドの来日はこれが始めてのことである。

2. ●サド・ジョーンズの指揮の卓抜さ
何人もサド・ジョーンズの指揮がこれほど卓抜だとは何人も予想しなかった。彼が永く勤続したカウント・ベイシーのそれではなく、デュークエリントンのような派手な動きとメンバーの掌握力を持っている。同じ曲でも日によってちがったソロイストを指名し、その出来によってはもうワン・コーラスを追加させる。各人のソロはかなり長く、ほとんど何れの曲にも無伴奏フリー・リズムの箇所があり、ソロイストの実力がすっかりわかるように仕組まれている。

3. ●メンバーの仲のよさ
ソロがはじまると全員がその方に体を向け、いいフレーズが出ると喜び、変な音が出るとアレッと驚き、ギャグ的引用フレーズには腹を抱える、一寸他のバンドにみられぬことだ。他人がソロをとっている間、楽譜を整理したり、手持ちぶさたな仕草を見せるバンドはぜひこのゆきかたを見習うべきだ。なかでも最も目立つ位置にいるジェローム・リチャードソンは表情だけでも千両役者の貫禄充分である。「本当に気の合った仲の好いバンドだな」と思う。事実すごく仲がいい。サドとメルを残して全員が離日した日、あまりにも手痛い打撃をうけた2人のリーダーは手をとりあって涙を流し「申し訳ないことをしたなあ」と泣いたのである。これを見た渡辺貞夫夫人も貰い泣きし、「うちの主人もああいうリーダーになってほしい」といったそうだ。

4. ●スター・ハイライト
全員がソロをとり、どれもが上出来だったが、特に目立ったメンバー名をあげておこう。

セルドン・パウエル(ts) 
 ラッキートンプソンを思わせる豪快なソロ。やや同じフレーズが出すぎる傾向はあったが、主流派の雄

エディ・ダニエルス(ts)
 白いロリンズ。すばらしい未来を持った若きエリート

ジミー・ネッパー(tb)
 余裕シャクシャクのテクニックと驚くべきユーモア精神

ガーネット・ブラウン
 モダン化したビル・ハリス、作曲も卓抜

ダニー・ムーア(tp)
 主流派モダンの有望な新人。音抜けもよく力強い

ペッパー・アダムス(bs)
 温厚な紳士ながら、豪放なトーンでクライマックスへの盛り上げの名人芸

ローランド・ハナ(p)
 予想以上にうまい人。居酒屋風のタッチとガーナー的ビート感がうまく結合している。

メル・ルイス
 ソロは大したことはないが、ビッグバンドドラマーとしての至芸を展開

「このバンドの面白さはレコードでは絶対にわからない」というのが、聴いた人に共通する意見であった。ブローイングブルース「ドント・ギット・イット・サッシー」(サド・ジョーンズ作)の楽しさは今でも耳朶にこびりついて離れないのである。

以上、転載終わり


自分は一晩だけのライブであり、ジャズそのものをまだ聴き始めたばかりであったが、その時の印象はこの油井正一氏の感想と全く同じであった。個人的には、リチャードデイビスとボブブルックマイヤーもその時印象に残った2人だ。

この日本ツアーで憔悴しきった(精神的にも経済的にも)2人のリーダーとメンバーが、3ヵ月後の10月にホームグラウンドでのライブを録音したのがこのアルバムである。
メンバーは唯一来日ボブブルックマイヤーが抜けて代わりにジミークリーブランドが入っている。ブルックマイヤーがニューヨークを離れたのもこの年。日本へのツアーが何かのきっかけになったのかもしれないが、彼の置き土産の「セントルイスブルース」がこのアルバムには収められている。

全体の構成を含めて、あの東京でのライブを思い起こさせるアルバムだが、録音を意識してか演奏全体は時間を含めてきちんと纏められている。やはり、あの夜のライブを上回るものは無いのかもしれない。

ほぼ同じ時期の演奏



1. Mornin’ Reverend
2. Kid’s Are Pretty People
3. St. Louis Blues
4. The Waltz You “Swang” For Me
5. Say It Softly
6. The Second Race

Arranged by Thad Jones & Bob Brookmeyer (St. Louis Blues)

Thad Jones (fh)
Richard Gene Williams (tp)
Snooky Young (tp)
Daniel Moore (tp)
Jimmy Nottingham (tp)
Garnett Brown (tb)
Jimmy Cleveland (tb)
Jimmy Knepper (tb)
Cliff Heather (btb)
Eddie Daniels (ts,cl,fl)
Seldon Powell (ts,fl,cl)
Jerome Richardson (as,ss,cl,fl)
Jerry Dodgion (as,fl,cl)
Pepper Adams (bs,cl)
Roland Hanna (p)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (ds)

Produced by Sonny Lester
Recorded live at The Village Vanguard, New York on October 17, 1968
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西海岸の名手というのはあまり話題にはならないが・・・実力は本物揃い

2012-01-20 | MY FAVORITE ALBUM
Conversation / Frank Rosolino & Conte Candoli

1975年8月ペッパーアダムスがドイツのミュンヘンを訪れ相変わらずのゴリゴリサウンドでブローしていたが、3ヶ月前の5月に同じライブハウス「ドミシル」に2人のコンビがアメリカ西海岸から出向いて同じように大ブローしていた。トランペットのコンテカンドリとトロンボーンのフランクロッソリーノの2人だ。50年代から一緒にケントンオーケストラに参加して以来良くプレーをしていた仲。この頃はスーパーサックスにも参加していたが、他でも2人で良く一緒にプレーしていたようだ。同じイタリア系ということもあり気心が通じ合ったのかもしれない。今回のセッションは、リズムセクションには地元ヨーロッパのミュジシャンも加わる。オランダ人のピアニストRob Pronkと2人が20年来の親友で時々ヨーロッパに来てそれまでも一緒に演奏していたそうだ。

ブルックマイヤーが、60年代の後半にウェストコーストに移り住み、「仕事は沢山あるが日常的にジャズを演奏できる場は決して多くはない」と語っていたが、ライトハウスに皆が集った50年代のウェストコーストジャズ全盛期と較べて、この2人が思う存分プレーが出来る場は地元に多くはなかったのかもしれない。自分の好きなアルバム”Jazz for A Sunday afternoon”は60年代になってからの録音だが西海岸でのジャムセッションのライブが妙に新鮮だった記憶がある。その点、短期間であっても思う存分プレーができるヨーロッパでのクラブ出演は、気合が入った演奏が出来る場でもあったのかもしれない。

元々クールで流暢な演奏のイメージがある2人だが、ここでは実にホットなプレーを聴かせてくれる。やはり地元を離れて異国の地に来ている開放感なのか。あるいは、ライナーノーツでも触れられているように、ピアノのPronkのパーカッシブでアタッキングなピアノが2人を鼓舞しているのかもしれない。いつものスタンダード曲がパワフルに感じる。

このロッソリーノは順風満帆な生活をおくっていたようだが、3年後の1978年11月に2人の息子を道連れに突然ピストル自殺を遂げてしまう。人には言えない悩みがあったのだろう。音楽の世界では“Conversation”が可能であっても、実生活では家族といえども会話が出来なかったのかもしれない。人生というものは奥深い。

これは別の2人の共演盤から



1. Doxi
2. Like Someone In Love
3. Don’t Take Your Love From Me
4. Yesterdays
5. Darn That Dream
6. When Light Are Low

Frank Rosolino (tb)
Conte Candoli (tp)
Rob Pronk (p)
Isla Eckinger (b)
Tod Canedy (ds)

Produced By Willi Fruth & Ernst Knauff
Recoeding Director : W. Fruth
Recording Engineer : Willi Schmidt
Recorded Live at the Domicile, Munich on May 10, 1975
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今でも法人接待コースの良いところを残しているコースも・・・

2012-01-19 | GOLF LIFE
昔からの名門コースを除けば、バブル崩壊以降の接待コースの今の姿は昔の面影は無い。コースによっては安いセルフレーが増えたり、維持運営費の節約で手入れが行き届いていないのが目立ったり。
そんな中、先日訪れたのは青梅にある東京バーディークラブ。経営がユニマットに変ったが運営方針は変らなかったと聞いてはいた。このコースを訪れるのは今回が初めてだったが、まずは自宅から近いのがいい。混んでいなければ下道を行っても1時間弱。いつも遠いコースに行くのに慣れているので普段通り慣れている下道で行けるのは何か調子が狂う。16号線を横切って、圏央道を横切るとすぐ平坦な地形から丘陵に入ってすぐだ。

いわゆるバブル期に作られた豪華絢爛な建物ではないが、落ち着いた雰囲気のクラブハウスだ。ここのスタート予約はスタート時間ではなく、集合時間を予約するそうだ。揃ったところでスタート時間が決まるが、それほど待たされることもなくスタートできた。すべてキャディー付きのプレーでセルフプレーは無し。カートのフェアウェイ乗り入れをしているが、コースは荒れたところは無く綺麗に整備されている。7分間隔でのスタートで、途中はまったくつかえることなくスムースにプレー出来たが、その理由は組数が最大でも44組にしているとのこと、50組以上入れるコースとは違ってゆったりプレーできるのも気分がいい。レギュラーティーからでも6700Yもあり、ミドルも400Y前後で第2打を乗せるには難しい。さらに、ティーグラウンドからは殆どが打ち下ろしだが、グルーンは反対に微妙に上りが多くグリーン面が見えないホールが多いので、アプローチの距離感が難しい。特設ティーは一切無いというのも、ゴルフの原点をしっかり守っている。コース内外に防球ネット、高圧線が無いというのも景観が優れている原因だろう。
そして、このコースの特徴は支配人が料理長という点。たまたま当日は昼のランチがビュッフェメニューであったが、どの料理も本格的な料理人が手をかけて作ったという感じで、見た目だけでなく味も絶品。寿司やカツは、オーダーしてから握ったり、揚げるという徹底ぶり。さらにプレー後のパーティー料理もよくある大皿に盛り付けたものではなく、各人毎のコース料理とは恐れ入った。

いいことずくめで、久々に法人接待コースのサービスを満喫できた。最近の安かろう悪かろうというサービスが広まる風潮の中で、多少料金が高くても本当にお客様を迎えるというスタンスで運営しているのは客としても嬉しい限りだ。
そして肝心のプレーの方は、トリ無しゴルフを目指したものの、アウト、インどちらも肝心な所でトリどころかダブルパーを叩いて90は切れず。ショットは良くなってきたが、課題はアプローチ。どうやらイップスの一歩手前の気配。
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ベテランロージーの次なるチャレンジは・・・新旧の名曲の歌い分け

2012-01-18 | CONCORD
With Love / Rosemary Clooney

しばらくヴォーカルのアルバムの紹介が無かったが、コンコルドの次なるアルバムはロージー。コンコルドでは彼女のアルバムとしては5枚目、彼女が参加している“Ellinton Tribute”のアルバムを入れれば6枚目になる。復帰後もうすっかりコンコルドの看板スターになっていた。バックはお馴染みのコンコルドオールスターズ。今回は新たにカルジェイダーが加わっている。お馴染みのメンバーなのでアルバムから飛び出す音はおおよそ想像がつく。となると、このアルバムでは彼女のどのような側面が引き出されているかが興味の対象になるが。

ジャズヴォーカルというとまずはスタンダード曲というのが通り相場だ。彼女のこれまでのアルバムもスタンダードが中心だった。ガーシュインの曲ビリーホリデーの曲などをテーマにアルバム作りをしていたのが特徴だ。スタンダードといっても、元を辿れば40年代、50年代のミュージカルや映画のヒット曲が多い。その時代に帰れば当時のヒット曲だ。このアルバムが録音されたのは’80年。その時には新しかった’70年代のヒット曲が半分入っているのがこのアルバムの特徴だ。古い歌の中では彼女のヒット曲Tenderlyの再演が聴き所 




サラヴォーンカーメンマクレーは新しい曲にも積極的にチャレンジしていたが、ロージーにとっては新たな試みだ。
結果はジョビンの”Meditation“なども見事にロージー節に料理している。もっともこれらの曲も今では作られてから30年以上経っているのですっかりスタンダード曲の仲間入りをしている。”The Way We Are“は当時から好きな曲のひとつだったが今では多分何百人に歌われていると思う。

そういえば、最近のヒット曲というものには全く疎くなっているが、30年後にジャズヴォーカルとして歌い続けられる曲は一体どんな曲なのだろう。きっと誰かが今の時点でチャレンジしているとは思うのだが・・・?

1. Just the Way You Are       Joel 5:11
2. The Way We Were         Bergman, Bergman, Hamlisch 5:04
3. Alone at Last          Cody, Sedaka 4:57
4. Come in from the Rain      Manchester, Sager 4:53
5. Meditation            Gimbel, Jobim, Mendonca 4:47
6. Hello, Young Lovers        Hammerstein, Rodgers 3:50
7. Just in Time           Comden, Green, Styne 3:20
8. Tenderly             Gross, Lawrence 5:11
9. Will You Still Be Mine?      Adair, Dennis 3:04

Rosemary Clooney Vocals

Scott Hamilton :TenorSax
Warren Vaché :Cornet, Flugelhorn
Cal Tjader :Vibraphone
Nat Pierce :Piano
Cal Collins :Guitar
Bob Maize :Bass
Jake Hanna :Drums

Carl Jefferson Producer
Phil Edwards  Engineer, Remixing
Masterd by   George Horn

Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California on November 1980
Originally released on Concord CJ-144 (所有盤は東芝EMIの国内盤)






With Love
Rosemary Clooney
Concord
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人生長く生きると色々な友人ができるが・・・いざという時に頼りになるのは

2012-01-17 | MY FAVORITE ALBUM
Recorded Fall 1961 / Stan Getz & Bob Brookmeyer


学生時代から始まり仕事仲間、遊び仲間、そして趣味の世界と歳をとるにしたがって知人・友人はだんだんと増えてくる。現役を退くと目先の仕事のつながりよりも昔からの仲間とのつながりがまた増えてくる。そして、仕事をまた始めると仕事関連の繋がりが増えてはくるが、その中でふとしたきっかけで昔からの仲間の中から新たな繋がりができたりする。ただし、プライベートでも仕事でもここ一番という時に頼りになるのは昔からの気心の知れた友人だ。色々あるが、人付き合いというのは知り合うきっかけから親友になるまでの間に、偶然の重なり合いが多くて楽しいものだ。

ボブブルックマイヤーがしばらくニューヨークを離れ、久々に戻った時に迎えてくれたのはサドメルの仲間たちだった。そのブルックマイヤーが反対にしばらくアメリカを離れていた友人を迎えたことがある。その相手はスタンゲッツ。一緒にコンビを組んだこともあったが、別にいつも行動を共にしていたわけではない。ゲッツは50年代後半一躍注目を浴びるようになったが、突然1958年にスウェーデンに渡る。その目的にはドラッグの治療もあったという。
そして、3年経ちすっかり元気になって再びアメリカに復帰する。その帰国を迎えたのは、ボブブルックマイヤーと当時Verveレーベルのプロデューサーであったクリードテイラーであった。マイヤーはゲッツと一緒にツアーにも出たそうだが、その時の記録がこのアルバムだ。


そもそも、ゲッツのクールなサウンドとブルックマイヤーのトロンボーンは実に相性がいい。ベニーゴルソンとカーティスフラーのサウンドとは趣の違った軽快さがある。もともとブルックマイヤーは相方とのコンビネーション作りが上手い。ジミージュフリー、マリガン、クラークテリーなどそれぞれとの間で2人の個性を見事にブレンドしている。時には、ピアノでエバンスとのコラボを実現したりしているが、このゲッツとのコラボが自分としては一番好きだ。
ゲッツとはボサノバブームの後、リアルジャズへの復帰の時も一緒に共演しているので、ゲッツにとっても相性がいいのだろう。

このアルバムで2人のバックを務める3人がまたいい感じだ。ピアノのスティーブキューンは色々なタイプの演奏をするが、ゲッツ復帰後しばらくはゲッツのグループのピアノを務める。ロイへインズのスネアの少し乾いた感じのオカズが少し気にはなるが。
この共演をステップに、ゲッツは翌年からボサノバでブレークする。気心の知れた仲間との語らいが次のステップに向けての充電期間であったのだろう。

1. Minuet Circa '61
2. Who Could Care?
3. Nice Work If You Can Get It
4. Thump, Thump, Thump
5. A Nightingale Sang in BerkeleySquare
6. Love Jumped Out

Bob Brookmeyer ValveTrombone
Stan Getz Tenor Sax
Steve Kuhn Piano
John Neves Bass
Roy Haynes Drums

Produced by Creed Taylor
Engineer Tommy Nola

Recorded on September 12,13 1961

Recorded Fall 1961 (Dig)
Stan Getz & Bob Brookmeyer
Umvd Labels
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ニギリには勝ったが・・・今ひとつ

2012-01-15 | GOLF LIFE
年が明けての第2ラウンドもホームコースの仲間達と。大体実力が似かよっている(もっとも最近の状態では自分が最下位ではあるが)ので、スクラッチでのニギリをするには好都合。前からショットやパットの一打に緊張感を持たせるために時々お友達やオリンピックをやったが、今回の4人は昨年後半からいつもの勝負になっている。お友達もインフレラスベガスではなく、ベストボールとグロススコアのホールマッチ。全員が、調子がいいとバーディ狙いの勝負になるが、この時期はコンディションも今ひとつなので、如何に大叩きしないかの守りのゴルフの勝負にならざるを得ない。一回目ではボロボロだった、「トリを叩かない」との今年の目標を実践するには、何かきっかけがあった方が個人的にも好都合だ。

スタートのロングはいきなりナイスショットでスタートする。下が凍っていてランが出るせいもあったとは思うが、バックティーからのプレーにも関わらず今までにないポジションまで一打が飛んでいた。第2打も完璧な当たりでグリーンまで50ヤード足らず。このコースも何十回となく廻っているがここまで飛んだのは初体験。特に、これといったフォーム改造を行った訳ではないが、トップの脱力と右ひじの感じが実にいい。
次のホールもいつもは2打がウッドだがアイアンで打てるところまで、3番もグリーンまで100Yを切るところまで。自分でもビックリするほどティーショットの調子がいい。次のショートも寄せワンで4ホールで1オーバー。久々に異次元のゴルフの感覚が戻ってきた。

ところが次のロングでティーショットを右に押し出し林に。ここは無理をせずに4オン狙いだったが、このアプローチをトップして大オーバーのミス。ここで踏ん張らなければいけないところを、2段グリーンの難しいグリーンで何と4パット。せっかく調子よく来たテンポがこのホールでガタガタになってしまう。やはり精神力なのか相変わらず気分屋ゴルフになってしまった。その後は、調子がよかったティーショットも影を潜めてOBは打つは、チョロはするはの大荒れに。最終ホールでティーショットは戻ったが後が悪い。結局5番以降はトリどころかダブルパーの連発で終わってみれば53のダボペース。ここまで極端に天国と地獄を味わったのも初体験。

後半も何か気になると結果は悪い。スタートホールは左引っ掛けのチョロ。ここを何とかボギーで凌ぐと、後はミスがあっても上手くセーブできる流れに。フェアウェイの真ん中に大きな木がある名物ホールもうまく木を避けグリーン脇まで、さらに池越えの苦手のショートも久々にピンがらみのナイスショット。バーディーこそ逃したがナイスパー。この流れは最後まで続き、最終は3打のアプローチがピンに絡んでOKパー。終わってみればダボ無しの42。
一日で、絶好調、大荒れ、我慢のゴルフの3パターンを体験した波乱のラウンドであった。
肝心な握りは、自分がよい時はパートナーも乱れず勝ちが並んだ。悪い時もパートナーに助けられ大負けはなし。我慢のゴルフができた時は大体が勝ちパターン。結果は一人勝ちで、めでたしめでたし。果たして次回はどうなるか楽しみでもあり、心配でもあるが、ショットがいいのがやはり気分がいい。これが持続してくれればいいのだが。

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