Nice to meet you / Chiemi Eri
ディックジョンソンのアルバムでキャリオカを聴き、そしてトニーベネットのアルバムでベイシーオーケストラを聴いて「あるライブ」を思い出した。
戦後日本の歌謡曲・ポップスの世界で初代(元祖)?三人娘といえば、美空ひばり、江利チエミ、そして雪村いづみの3人だ。雪村いづみはまだ健在で、元気にライブツアーを続けているが、彼女たちの共通項は、デビュー当時ジャズの洗礼をうけていることだ。
江利チエミのデビューは1952年のテネシーワルツ。まだ彼女が15歳の時だったが、それまで数年間いわゆる米軍のキャンプ周りですでに人気を得ていたそうだ。そして、デビューの翌年には、招かれてアメリカに渡り「ゴメンナサイ / プリティ・アイド・ベイビー」を録音、ヒットチャートにランキングされ、いきなりアメリカでコンサートを開く大出世を遂げた。その帰朝凱旋コンサートをツアーの途中で一緒になったデルタリズムボーイとジョイントして日本各地を廻り、日本でもいきなりジャズボーカリストのNo.1の地位を得たという。
それから10年経ち、1963年にカウントベイシーオーケストラが初来日をし、厚生年金会館でのコンサートの舞台に、日本で第一人者になっていた江利チエミがゲスト参加し歌った2曲が、「わが恋はここに」、そして、この「キャリオカ」だった。幸いにもこの2曲の音源は残されていた。63年のベイシーといえば、ルーレットから続々とアルバムを出した直後でベイシーオーケストラが脂の乗り切っていた頃だ。
そして、それから20年近く経ち、歌手デビュー30周年記念に向けて色々な企画が立てられていたそうだ。その一環としてこのアルバムが録音された。もちろん、ジャズシンガーとしての江利チエミのアルバムだ。内容は懐メロだけでなく、新しい曲、そして新しいアレンジにもチャレンジしている意欲作だ。バックを務めたのは奇しくも一緒に30周年を迎える原信夫とシャープス&フラッツ。アレンジは編曲名人前田憲男に山屋清に加えて、Carl Jones。このアルバムのジャケットに一緒に写っているこのカールジョーンズこそが、30年前チエミがアメリカから帰ってきた時に一緒にツアーをしたデルタリズムボーイズのメンバーだった。
まさに、30年ぶりの"Nice to meet you”だが、このアルバムの作るにあたっての協力を依頼し、アレンジだけでなく、彼の元で10日間ものボイストレーニングも実施してアルバム制作に臨んだとか。
そして、このアルバムを録音した翌年、彼女は突然他界してしまう。その意味では彼女の30年にわたるジャズシンガーの歴史が凝縮されているのがこのアルバムだ。このアルバムがCDで再発されるにあたって、ベイシーとの共演の2曲も収められている。日本のジャズの歴史を紐解くのも奥が深い。
1. Take the A train
2. My funny Valentine
3. Where or When
4. Misty
5. After You’ve Gone
6. St. Louis Blues
7. Whatta We gonna do about it
8. Gomen Nasai
9. Again
10. Moanin’
11. Love is here to stay
12. Carioca
Chiemi Eri (vo)
Nobuo Hara and Sharps & Flats
Count Basie Orchestra (11,12)
Arranged by Norio Maeda, Kiyoshi Yamaya, Carl Jones
ディックジョンソンのアルバムでキャリオカを聴き、そしてトニーベネットのアルバムでベイシーオーケストラを聴いて「あるライブ」を思い出した。
戦後日本の歌謡曲・ポップスの世界で初代(元祖)?三人娘といえば、美空ひばり、江利チエミ、そして雪村いづみの3人だ。雪村いづみはまだ健在で、元気にライブツアーを続けているが、彼女たちの共通項は、デビュー当時ジャズの洗礼をうけていることだ。
江利チエミのデビューは1952年のテネシーワルツ。まだ彼女が15歳の時だったが、それまで数年間いわゆる米軍のキャンプ周りですでに人気を得ていたそうだ。そして、デビューの翌年には、招かれてアメリカに渡り「ゴメンナサイ / プリティ・アイド・ベイビー」を録音、ヒットチャートにランキングされ、いきなりアメリカでコンサートを開く大出世を遂げた。その帰朝凱旋コンサートをツアーの途中で一緒になったデルタリズムボーイとジョイントして日本各地を廻り、日本でもいきなりジャズボーカリストのNo.1の地位を得たという。
それから10年経ち、1963年にカウントベイシーオーケストラが初来日をし、厚生年金会館でのコンサートの舞台に、日本で第一人者になっていた江利チエミがゲスト参加し歌った2曲が、「わが恋はここに」、そして、この「キャリオカ」だった。幸いにもこの2曲の音源は残されていた。63年のベイシーといえば、ルーレットから続々とアルバムを出した直後でベイシーオーケストラが脂の乗り切っていた頃だ。
そして、それから20年近く経ち、歌手デビュー30周年記念に向けて色々な企画が立てられていたそうだ。その一環としてこのアルバムが録音された。もちろん、ジャズシンガーとしての江利チエミのアルバムだ。内容は懐メロだけでなく、新しい曲、そして新しいアレンジにもチャレンジしている意欲作だ。バックを務めたのは奇しくも一緒に30周年を迎える原信夫とシャープス&フラッツ。アレンジは編曲名人前田憲男に山屋清に加えて、Carl Jones。このアルバムのジャケットに一緒に写っているこのカールジョーンズこそが、30年前チエミがアメリカから帰ってきた時に一緒にツアーをしたデルタリズムボーイズのメンバーだった。
まさに、30年ぶりの"Nice to meet you”だが、このアルバムの作るにあたっての協力を依頼し、アレンジだけでなく、彼の元で10日間ものボイストレーニングも実施してアルバム制作に臨んだとか。
そして、このアルバムを録音した翌年、彼女は突然他界してしまう。その意味では彼女の30年にわたるジャズシンガーの歴史が凝縮されているのがこのアルバムだ。このアルバムがCDで再発されるにあたって、ベイシーとの共演の2曲も収められている。日本のジャズの歴史を紐解くのも奥が深い。
1. Take the A train
2. My funny Valentine
3. Where or When
4. Misty
5. After You’ve Gone
6. St. Louis Blues
7. Whatta We gonna do about it
8. Gomen Nasai
9. Again
10. Moanin’
11. Love is here to stay
12. Carioca
Chiemi Eri (vo)
Nobuo Hara and Sharps & Flats
Count Basie Orchestra (11,12)
Arranged by Norio Maeda, Kiyoshi Yamaya, Carl Jones
ナイス・トゥー・ミート・ユー! チエミ・エリ~30thアニヴァーサリー記念盤 | |
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