A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バリトンサックスとヴァイブの組み合わせは珍しいが、この2人はどちらも有名人・・

2016-03-01 | MY FAVORITE ALBUM
Lionel Hampton Presents Gerry Mulligan

バリトンサックス自体、それが主役となった演奏は少ないが、バリトンサックスとヴァイブの組み合わせというのはさらに聴く機会が無い。ペッパーアダムスも、ライブではレッドノーボやテリーギブスなどとは演奏したことはあるようだが、ヴァイブと共演したアルバムは前回紹介したレイアレキサンダーのアルバム位かも。ヴァイブの王者ライオネルハンプトンのバンドのメンバーになったことはあるが、これはハンプトンのビッグバンドメンバーの一員であり共演といえる形ではなかった。

このハンプトンは、無名のレイアレキサンダーと較べると反対に超有名人。古くはベニーグッドマンのグループの一員で人気を博したが、その後自分のバンドでも大活躍した。他のメンバーのグループに参加する事も多く、ジャズフェスティバルにも数多く出演していた。共演したミュージシャンの数は桁違いに多かった。
ジェリーマリガンも若い頃から自分のグループを率いるだけでなく、こちらも色々なグループに参加し、また誰とでも共演する機会は多かった。
どちらも目立ちたがり屋なのか、どこにでも顔を出していたので、ステージ上では顔を合わせることはあった。一緒にプレーしたアルバムとなるとなかなか実現しなかった。お互い忙しくしている有名プレーヤーとなると、スケジュール調整もあるし、契約問題も影響することもあったという。

行動力のあるライオネルハンプトンは、自分のレーベルを持ったことが2度ある。その一つWho’ Who in Jazzレーベル。大物ミュージシャンを迎えて、自らプロデュースし自分との共演アルバムを作った。バディーリッチなどは相性がいい感じがするが、異色なチャーリーミンガスとの異色な組み合わせアルバムもあった。ジャズの真髄を極めるとジャンルなどは関係ないのかもしれない。
そのシリーズの中にジェリーマリガンとの共演アルバムがある。異色な組み合わせだとどんなスタイルで? というのがまずは気になるが・・。

お馴染みのマリガンの曲、アップルコアで始まる。2人のスタイルが特に変る事はない。普段通りのプレーだ。アダムスのプレーは、モダンな感じがするが実はディキシー・スイングスタイルに近いという記事をどこかで見た事がある。
バックを務めるメンバーは?というと、ハンクジョーンズ、グラディーテイトとこちらも誰とでも合わせられる面々。バッキーピザレリの味のあるギターが加わるとバンドのサウンドはモダンスイングな感じになる。結果的にこのメンバーは皆、一度はベニーグッドマンのグループにいたことがあるようだ。やはり、ハンプトンの原点はグッドマンということだろう。特徴的なのは、それにコンガのキャンディドを加えている点。4ビートにこのチャカポカが新鮮だ。

ハンプトンはこの企画では、共演するプレーヤーの良さを引き出すことを一番に考えていたそうだ。
マリガンというとアレンジ物も得意だが、ここではプレーヤーとしてのマリガンの良さを出すためにアレンジは極力少なくした。マリガンだけでなく、ハンプトンやバックのメンバーのソロもタップリ聴かせる構成になった。
曲はジェリーマリガンのオリジナルが中心。このセッションに合わせたハンプトンのオリジナルも加えてマリガンを迎える段取りはできた。

クラリネットも吹くマリガンなので、もしクラリネットを吹いたらベニーグッドマンのカバーになっていたかもしれないが、曲がマリガンの曲ばかりなので、マリガンソングブックをグッドマンスタイルでといった感じのアルバムに仕上がった。



1. Apple Core
2. Song For Johnny Hodges
3. Blight Of The Fumble Bee
4. Gerry Meets Hamp
5. Blues For Gerry
6. Line For Lyons
6. Walking Shoes
7. Lime Light

Gerry Mulligan (bs)
Lionel Hampton (vib)
Hank Jones (p)
Bucky Pizarelli (g)
Geoge Duvivier (b)
Grady Tate (ds)
Candid Camero (conga)

Produced by Lionel Hampton
Recoeded in New York City, October 28, 1977



Lionel Hampton Presents...
クリエーター情報なし
Kingdom Jazz

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お祭り騒ぎかと思いきや (duke)
2016-03-06 11:34:41
YAN さん、こんにちは。

目立ちたがり屋の二人ですのでお祭り騒ぎかと思いきや「Song For Johnny Hodges」を聴く限り意外にも落ち着いておりますね。録音時ハンプトン68歳、マリガン50歳ですので当然といえば当然ですが、物足りなさもあります。ヴァイブの音より大きい唸り声や、ヴァーヴの企画物で共演者を押しのけてソロを吹きまくるほうが面白いですね。
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たまにはじっくりと・・ (YAN)
2016-03-07 10:58:34
dukeさん
コメントありがとうございます。

おっしゃる通りです。
どうも目立ちたがり屋は何かパフォーマンスがないとお物足りないものです。
このアルバムはマリガンに敬意を表しているのか、マリガンの曲をじっくり演奏しています。

ハイパワーの車でぶっ飛ばすのも楽しいですが、たまには大排気量の車でゆったりクルージングもドライブの楽しみのような・・・。
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